青春映画「オードリー」で初主演を果たした笠原美香さん。高校生が主人公の物語の撮影当時は、高校3 年生だった。等身大の演技で挑んだ作品について熱く語る彼女からは、大役を乗り越えて着実に成長した姿が垣間見えた。(文・中田宗孝、写真・高松英昭)

――どんな高校生でしたか?

行事になると先頭に立って楽しんじゃう活発な高校生でした。クラスでは面白いキャラの人をつっこむタイプ。英語のスピーチの授業が好きでしたね。私の学校では、実践的な英会話を身につけるため、外国人の方とのキャンプ実習がありました。実習中は日本語禁止だったのですが、どうしても会話が通じないときはボディーランゲージでなんとか乗り切りました(笑)。

―― 夢や進路で悩んだ経験は?

私は高校1年生のころから女優の仕事を思い描いて自分の将来を計画していました。ですので、3年生になって焦ることはなかったのですが、周りの友達はいろいろ悩んでいました。仲の良い友達でも将来の夢や進路の相談をするのは、ちょっぴり恥ずかしいかもしれないですね。だから両親や先生、塾の先生といった身近な大人の方に思いを正直に話してみるといいと思います。

 

―― 映画「オードリー」では初の主演に挑戦していますね。

実はセリフを覚えるのが苦手で、撮影中、監督に怒られて泣いたこともあったんです……。役に入り込めばちゃんとセリフが出てくる、と監督からアドバイスいただき、キャリアのある共演者の方の話を聞くことで、自然とセリフが言えるようになりました。

―― 高校生のリアルな会話のやりとりが印象的でした。

素で演じてほしいという監督の意向があり、大まかな流れだけが決まっていて、セリフは役者まかせのシーンがいくつかありました。私の演じた優子が、好きな男の子と携帯番号を交換するシーンがあるんですけど、そこも自分たちの素に近い会話で番号を交換しています。

―― 好きなシーンは?

やっぱりクライマックスの文化祭ですね! このシーンは終盤に撮影しました。自分の演技に不安を抱いていた撮影当初の自分ではなく、役をしっかり理解して演技に取り組めたので、とても思い入れがあるんです。

自分の高校時代も文化祭が一番の思い出ですね。3年生の時の文化祭では、クラスでいろいろなディズニー作品をミックスさせたミュージカルをやりました。私は「リトル・マーメイド」のヒロインのアリエル(人魚姫)を演じたんですよ。

―― 高校生へメッセージを。

私は毎日ポジティブ思考で過ごすことで学校生活を楽しみました。みなさんもそんな心持ちで学校生活を過ごせば、きっと楽しい出来事に出会えますよ!

【かさはら・みか 】
1991 年4 月19 日、東京都生まれ。バラエティー、映画、CM出演など多方面で活躍。最新出演映画「オードリー」で初の主役を演じた。公式ブログhttp://ameblo.jp/mk555i/