アマチュアオーケストラの奮闘を描いた映画「リトル・マエストラ」で主演を務める有村架純さん。彼女が演じるのは、悩み多き高校生指揮者だ。物語の中で成長を続ける主人公の姿に、自身の高校時代の姿が重なって見えたという。 (文・中田宗孝、写真・幡原裕治)

指揮者役のため、タクトを振る練習に励んだという有村さん。劇中では行進曲「威風堂々」の指揮に挑戦している。「初めは指揮者に見えるように演技しなくちゃと力が入り過ぎましたが、いい音楽を奏で、観客の皆さんに伝えるには、気持ちを込めることが大切と途中で気付きました。それからは、私が演じる主人公の美咲が感じる『威風堂々』にしようと思うようになりました」

美咲は、大きな悩みを抱える高校生でもある。「何かやりたいんだけど、行動に移せずに葛藤してしまう。美咲は物語の中で、それらを乗り越えて成長していくんです。高校生が共感できるシーンが、映画のなかにいっぱいあります!」

有村さんは高校時代、どのような日々を送っていたのだろう。「高校生のころは、どうすれば女優になれるのかを毎日考えていました。実際にオーディションを受けて合格したのも高校生の時でした」

夢を現実のものにした有村さん。最後に高校生へのメッセージを残してくれた。「自分がやりたいことを、とことん突きつめてほしいです。ぼんやりとでも夢や目標があるのに、何も行動を起こさないのはもったいない。私自身も高校時代に、周りにどう思われるかな?と、女優になることをちゅうちょしていたら、今の私はなかったと思います」

 
【ありむら・かすみ】
 1993年2月13日、兵庫県生まれ。2010年、テレビドラマ「ハガネの女」で女優デビューし、以後、多くのドラマや映画で活躍。4月から放送されるNHK連続テレビ小説「あまちゃん」への出演が決定している。