新型コロナウイルスが世界的に流行し、日本ではほとんどの学校で休校になり、部活の大会が中止になるなど、高校生活にも大きな影響が広がりました。世界の高校生は、どんな生活を送っているのでしょうか? 高校生記者のりこさんにアメリカ・ロサンゼルスで暮らす米国の高校生(ケアラさん、1年)にインタビューしてもらいました。
ロスの高校生はテレビを見ない
――どんな報道がされていますか?
3月のはじめは、普通のテレビニュースで新型コロナウイルスについて触れるけれど、「今日はこの場所で新しく感染者が何人見つかりました」「今日までの感染者は何人です」などの簡単な報道が多かったです。
これまでは選挙の話で盛り上がっていたし、他の話題も幅広く多く取り上げるので、日本のようにコロナウイルスの特集を組んだり詳しく解説したりしている番組などは、ありませんでした。
最近のアメリカの高校生はあまりテレビも見ません。インターネットで検索をしないと、コロナウイルスについての詳しいニュースはあまり耳に入りません。
現在はメジャーのTVチャンネルでコロナウイルスについてのニュースを始終やっています。知事、市長、大統領などが話している映像を目にします。
マスクすることが恥ずかしい
――普段の生活に、どんな影響がありますか?
3月8日ごろは、普段の生活にはあまり影響がありませんでした。普通の風邪が流行っていて、咳をすると周りの人に気を遣いますが、今まで通りだったんです。
私の住むロサンゼルスはとても広いので、当時は感染者が数人出ていましたが、多くの人が一気に感染することはあまりありませんでした。ほとんどのアメリカ人は新型コロナをまだ人ごとのように思っていて、あまり感染予防をしている人が多くありませんでした。
ちなみに、以前、日本に訪れたときに、日本人は街中でマスクをしている人が多いこと驚きました。アメリカではあまりマスクをする人が少なく、このような状況でも誰も学校でマスクをしていないので、マスクをするのは少し恥ずかしいことです。
しかし、アメリカも日に日に状況が変わってきました。危機感を持っていなくても、パニックになってお店に買い出しに行く人が増えています。
ついに国家非常事態が宣言され、14日の時点では4月6日まで休校になってしまいました。
――生活をする上で、気を付けていることはありますか?
手洗いとうがいです。先ほども説明したように、アメリカではマスクをしない人が多いんです。感染対策として手洗い・うがいや消毒液を使うしかありません。
詳細な情報を出すニュースに感心
――アメリカでは、日本の新型コロナ流行について、どんな反応がされていますか?
私の周りのことしか話すことができませんが、高校が休校になる前は、日本のことも新型コロナウイルスについても話題になることはありませんでした。しかし私の家族は日本に関心があるので、ここ何週間かYou Tubeで日本のニュース番組を何本か観ているのですが、日本のニュース番組は細かくパネルを使ってコロナウイルスの情報を提供しているのにすごく感心しています!
当時、アメリカではテレビをつけてもまだまだ選挙の話題ばかりだし、コロナウイルス情報はYouTubeやネットニュースを探して見るような状態でした。
今は日本のニュースよりもヨーロッパ各国の様子や情報を目にします。日本の様子はオリンピック関連のニュースで流れてきます。オリンピックをとても楽しみにしていたので開催できるように祈っています!
休校は少しやり過ぎと思った
――日本の高校生は休校になってしまいました。どう思いますか?
日本のニュースをチェックしていたら、日本の全国の高校生が休校になったというビックニュースを見てとても驚きました。その時は「休校は少しやりすぎではないかなあ?」とも思っていました。ですが今、私自身も休校になってみて、現実に大変な状況になっているんだと痛感しました。学校生活が送れないのは寂しいですが、今は命の方が大事だからしょうがないと自宅待機を頑張っています。
兄の通うスタンフォード大学も春休み前の残りの二週間の授業がなくなり、授業や期末テストもオンライン配信になりました。
日本では高校の卒業式や部活動がなくなってしまったという日本のニュースを見ました。私が、もし休校になって学校のクラブチームの練習が1カ月以上なくなると考えるとすごく悲しいと思っていました。その後、実際にロサンゼルスでも休校、外出禁止令が出て、地域のイベント、学校のダンスクラブチームの大会なども4月末まで中止になりました。
生徒会に入るためのオーディションや、大学受験のためのアプリケーションに書く予定だったのに、計画を変更せざるを得ません。選ばれて参加する予定だったイベントが中止になってしまいました。高校生は進学にまで影響が出ています。(高校生記者・りこ=2年、SNSなどで取材)