新しい価値観を知りたい思いで、学校のベトナム研修に参加しました。すばらしい体験ができた一方、日本と同じ「ルッキズム」の文化も目の当たりにして、モヤモヤしました。(高校生記者・もち=3年)

美人の生徒だけベトナム人にチヤホヤされ

昨年の冬、私は学校のベトナム研修に参加し、ベトナムの学校との交流や観光地をめぐる機会がありました。ベトナムの高校生と仲良くなれ、全然違う文化や歴史を実際に見たり体験したりと、とてもいい思い出を作れました。

学校交流の際にもらったフォー

一方で、「ルッキズムはどこでも起こりうる」と気がつきました。私の学校のメンバーに、とても色白で容姿が整っている人がいました。学校交流の時、相手の学校の生徒や先生はびっくりするくらい彼女の容姿を褒め、彼女だけ他の生徒がもらえなかったお土産やプレゼントを受け取っていました。そばで見ていた私は、あまりの待遇の違いに少し嫉妬しましたが、仕方ないことだと諦め、気にしない風を装いました。

ルッキズムは日本の外にもあるんだ…

今振り返っても、彼女が受けた待遇があまりにも他の人と違っていて、びっくりしてしまいます。おそらくその理由の一つとして、彼女がかわいいだけでなく、とても色白だったからだと考えています。きっと東南アジアでは珍しく、とても注目されたのでしょう。

この体験から、日本以外にもルッキズムは存在すると知りました。海外に行くことで新しい価値観を手に入れたかった私は、少しがっかりしました。しかし同時に、「美の基準」は多少なりとも国や地域によって違うという学びも得ました。

夜のハノイ駅

「私だって美しい!」って思おう

もしかしたら違う国では全く違う美の基準があるのかもしれない。さらには、人によって「美の基準」は異なります。ならば、どんな文化でも通じる他のスキルや魅力を絶対に持った方がよいと感じました。

私は学校交流中に英語と二重跳びを披露したら注目され、相手の学校の女子生徒から「あなたのクールな雰囲気が好き」と言われました。周りを見ても、英語が話せる子や積極的に現地の生徒に関わりにいく子など、「美しさ」以外のスキルを持っている子の方がコミュケーションを取れていた気がします。

それに、容姿が良くてもそれだけで成功できるわけではありません。活躍したい、自信を持ちたいと思う人は、容姿以外に人をひきつけるものを持った方がよいと思います。皆さんもルッキズムを感じて悩んだときは、「私だって魅力的! 私には、どんな文化でも通じる他のスキルや魅力がある!」と思えば、少しは悩みを乗り越えられると思います。