新型コロナウイルスの感染防止のために、全国の高校で突然休校になり、卒業式が縮小・中止されるなどの影響も広がっています。高校生活への影響や、今感じていることなどについて、現役高校生に報告してもらいました。

文化部の発表の場がなくなった

――高校生活にどんな影響がありましたか?

私は3年生なので、授業も部活もありません。ですが、周りの状況を見ると、結構影響が出ています。

まず、ほとんどの文化部の公演がなくなりました。人が集まるイベントであることと、ほとんど練習がしっかりできなくなることが原因だと思います。海外の学会で研究発表を行う予定であった後輩もそれがなくなってしまったようです。

どの部活の方も目標としていたことがなくなってしまい、あぜんというか、「どうしたらいいかわからない」というのが現状だと思います。

卒業式が中止に、入学式が延期に

――行事はどうなりましたか?

私の学校では卒業式が縮小開催になりました。後輩がいない卒業式となり、仕方がないと思いつつも寂しく感じます。

入学予定の大学では、入学式が延期になるとの連絡がありました。いつに延期になったのかは、まだわからない状況です。部活最後の公演がなくなってしまった後輩よりはましなのかもしれませんが、やはり寂しいのと、非常に混乱した気分でいっぱいなのが現状です。

入院中の祖母に会えない

――普段の生活での変化を教えてください。

普段の毎日の過ごし方としては、大きな変化があったとは言えません。予防として、また、お守りとして、アルコール消毒やマスクをするようにしています。

アルコールやマスクの品薄状態は納得できるのですが、あまり関係のないトイレットペーパーやキッチンペーパーまで品薄になるというデマが広がり、本当に品薄になってしまっているというのはちょっと困ります……。

私の祖母は現在入院中です。整形外科なのであまり風邪などとは縁がありません。しかし、病院は面会謝絶状態にしているそうです。

外部からのウイルス侵入を防ぐことで患者さんを守るというのは必要なことであるため、祖母には気の毒ですが、しばらく会うことができないのも仕方がないかもしれないと感じています。一刻も早い終息を望んでいます。

休校要請の翌日、学校はてんてこ舞い

――首相が休校要請を明らかにした翌日の2月28日、学校はどんな状況でしたか?また、どう過ごしましたか?

2月28日は3年生の登校日でした。この日が後輩と会える最後の日になり、多くの人が卒業式に渡すつもりだった後輩への手紙は急きょ書いて渡すことになってしまいました。

卒業式後に行う予定であった部活の集会などは前倒しにしたり、ちょっと集まるだけにしたりと、てんてこ舞いの1日を過ごす人が多かったようです。

私自身、2月27日に後輩が3月2日の卒業式に来ることができなくなったことを知り、急きょ手紙を書きました。もう学校で普通に会えなくなるという実感が全くわかず、悲しいのか忙しいのか混乱した1日を送りました。高校入試準備もその日のうちに行うことになり、非常に忙しかったです。本当はもっとゆっくり後輩と別れを惜しみたかったなと寂しく思います。

休校、しょうがないと思うけど「悔しい」

――「休校」という国の判断、どう思います?

さまざまな混乱を引き起こしている「休校」という判断ですが、私は必要であると思っています。学校はまさに感染しやすいところだからです。感染をこれ以上拡大しないためには一番止めなくてはならないところであったと感じています。

ただ、もう少し早く休校のお知らせをほしかったと思います。状況が全く読めない状況の中では仕方のないことなのかもしれませんが……直前に言われたのではこちらも対応が全く追いつきません。私の学校では高校入試の会場づくりは結局全部先生方がやってくださるようですし、何より、心の準備ができていませんでした。

学校に行っていきなり、「今日で学校おしまいです」や「今日で後輩とはもう会えません」なんて言われてもどうしようもないのです。持って帰るものも、期末テストの返却も、みんなとのお別れもみんな中途半端です。

せめて、1週間前などにわかっていれば少しは状況が変わっていただろうにと……思います。いろいろ、悔しいです。(きぐま=3年)

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