高校入学から2年間続いた昼食の「黙食」もなくなり、友達と一緒にお弁当を食べられるようになりました。振り返ると、黙食は悪いことばかりじゃありませんでした。黙食がきっかけで得られた「新しい出会い」の経験を紹介します。(高校生記者=ささおか・3年)
話せない昼休みはつまらなくて
高校生活の最初の2年間は新型コロナの影響もあり、お弁当は完全黙食でした。昼休み45分間のうち20分間は黙食の時間が設けられ、自分の席に座って一言も話さず黙々とお弁当を食べます。
食べ終わったら各自自由に昼休みを過ごせますが、まだお弁当を食べている人がいれば、教室内では話せない決まりでした。自由のきかない昼休みがあまりにもつまらなかったので、1人で校内探索をしたりわざとゆっくりお弁当を食べたりして昼休みをつぶしていました。
図書館通いが習慣に
ある日、「私のこの退屈な時間を満たしてくれるのは本しかないのでは?」と思いつきました。そしてその日から、図書室に通うようになりました。
昼休みの時間の使い方を見つけ出した私は、お弁当と歯磨きを爆速で終わらせ、次の授業の支度をしてから、3階にある図書室までダッシュで向かいました。その時は「いかに図書室で過ごす時間を長くするか」を考えて行動していました。
司書と話すのが楽しみで
そして、足しげく図書室に通う私に声をかけてくれたのが司書さんです。教科担当の先生以外の大人の存在が学校にいることが私にとってはありがたくて、本を借りるたびに少しお話しできることが毎日の楽しみになりました。
私はコミュニケーションにたけた人間ではないので、毎日通って少しずつ会話を深めました。最近は図書室で一緒にお茶会をしています。この関係を作るのに2年間かかりましたが、たまに私の付き添いで図書室に来る友人はしれっと司書さんと仲良しに。私不在のお茶会をしていることがあるので少し悔しいです……。
黙食に感謝
黙食がなければこんなに図書室に通っていなかったし、司書さんとも仲良くなれなかったと思うので、なんだかんだ黙食に感謝しています。高校生活も残り1年なので、今年も図書室に通いつめて司書さんとたくさんお話したいです。