コロナ禍前の、マスクなしの学校生活を覚えていますか? 日本ではまだマスク着用が推奨されていますが、海外ではコロナ感染拡大の対策措置がほとんど緩和されている国もあります。海外の高校生はどんな学校生活を送っているのでしょう。私が現在通っているスイスの高校の状況をもとにリポートします。(高校生記者・Lucy=1年)

子どもはワクチン接種義務なし

2020年10月中旬頃から、スイス国内でのコロナ感染が急速に拡大し、学校でもマスク着用が義務化。学校からマスクとアルコール消毒液が配布されました。

スイスの人はマスクをする習慣がないので、政府からの通達には「鼻と口を覆う」といった正しいマスクの着用の仕方も記載されていました。日本との大きな違いは、スイスではコロナ禍でもずっと、12歳未満の子どもはマスク着用義務を免除されている点です。

マスクをつけない生活をするスイスの人々

スイスでは、高齢者から優先的にスムーズにワクチンを打っていて、特に政策への抵抗などはありませんでした。18歳以下の子どもは、ワクチンを打つ義務がなかったので、インターナショナルスクールに通っている生徒以外はほぼ打ちませんでした。

不安と期待…マスクなしの学校生活

2022年に入り、長く厳しかったコロナ感染対策措置もようやく緩和。2月、ワクチン接種が済んでいる人も済んでいない人も、マスク着用の義務が解除されました。マスクなしで学校に行くのを楽しみにしている友達がほとんどでしたが、「外すのはもう少し様子を見てからにしよう」という友達もいました。

脚本を作り、映画を撮影する放課後クラブの様子

学校内ではマスクの義務化がなくなった数日後、新型コロナやインフルエンザによる体調不良の生徒が一時期増えましたが、10日ほどで収まりました。マスクなしの生活に慣れるのに少し時間が必要でした。

すでにコロナに感染した友達は、回復して抗体があるので、まだかかっていない私と比べて心配はしていませんでした。マスクの着用義務が春休みに帰国する2週間前に解除されたので、私には「もしマスクをつけないでコロナに感染して帰国できなかったらどうしよう」という不安がありました。

最初の1週間はみんなの声が前より大きく感じました。マスクをしていると声がこもるので、自然に声を大きくして話す習慣がついていたのでしょう。登校時は息切れもせず歩けるようになり、学校までの足取りが軽くなりました。体育の授業も、マスクなしでパフォーマンスがぐんと上がりました。

行事が復活、日常が戻り喜び

私の学校ではたくさんのイベントが開催されますが、コロナ禍では中止、もしくは制限をしながら行っていました。毎年9月に開催されるパーティーも、今年はマスクなしでみんなと楽しむことができました。

山奥でのキャンプファイア

去年中止された運動会も、今年はたくさんのゲームをして盛り上がりました。秋にはハロウィーンパーティーも行われました。

日本の修学旅行にあたるスクールトリップも再開、おかげでルーマニアへ支援活動に行くことができ、貴重な経験をすることができました。10月にはアメリカやイギリスへの旅行も企画され、学校外でも一緒に思い出を作れるようになって、友達と喜んでいます。

発展途上国での支援活動

スイスでは、最初にコロナ感染が広がった時に突然ロックダウンになり、感染対策措置の速さに驚きましたが、緩和のスピードも速いです。マスク着用の義務が解除されてから、スイスではマスクをしている人をほとんど見かけません。

日本でも、マスク越しでなく友達の笑顔を見られる日が早く来てほしいと思います。