生徒会の一組織として、60人のメンバーがいます。ブックハンティングや各種講座など、委員会独自のイベントを設け、日々活動中!

レキシントンの幽霊

村上春樹著(文春文庫、510円)

◆他人の意見、鵜呑みにしてない?

この本に収録されている「沈黙」は、作者のメッセージ性がとても強いと感じ、特にオススメ。「大多数の者が発する意見を、考えなしに受け入れる人間」が、どれほど無価値で害悪であるかということを作品に込めているのだと思った。今の世の中、高校生に限らず大人でさえも、自己の理念や意見を持たず、大多数に流されがち。それがどれだけ無責任であるかこの本を通して知ってほしい。自分の中に判断基準を持ってほしい。(本田匠くん・3年)

 

5分後に涙のラスト

エブリスタ編(河出書房新社、980円)

◆5分で読める感動小説

皆さんには本を読む時間があるだろうか? この本は、時間がない人でも、5分という短い時間で読むことができ、5分で心が動かされる短編小説が8作品収録されている。どの作品も涙のラストが待ち構えている。特に、財閥の一人娘と護衛役のアンドロイドの話である「きみにクローバーの花束を」は、ラストの花言葉の意味に感涙。普段本を読まない人達にもぜひ読んでもらいたい。(白戸実夏さん・2年)

 

12星座の恋物語

角田光代、鏡リュウジ著(新潮文庫、550円)

◆星座で人間関係を学ぶ

有名な12星座を元に、星座それぞれの性格にちなんだ個性的な恋物語が展開される。星占いを物語に絡めているところが興味深いと思い、この本を手に取った。僕の星座である牡羊座は、「まっすぐな性格で自分を信じて突き進む人が多く、そのためストレートに本音を言う人が多い」とある。牡羊座物語の主人公は、その性格ゆえに騒動を起こす。星座のようにさまざまな性格の人がいる中で、どうしたら他者とよりよい人間関係を作ることができるのか、恋物語を通し考えさせられる。(後藤渉馬君・3年)

 

犬から聞いた素敵な話 涙あふれる14の物語

山口花著(東邦出版、1300円)

◆犬と飼い主の思いあう心描く

人間関係などで、一人で悩む人がとても多いのでは。そんな悩みを身近にいる愛犬が実は知っていて、心配してくれているかもしれない……。この本は「さまざまな悩みを持った飼い主たち」と「飼い主の愛犬たち」両方の目線で、お互いを思いあう心が14編書かれている。僕もハムスターの存在にとても癒されている。犬とハムスターの違いはあるが、同じように動物に癒される人がいるのだと思った。(横倉春希君・3年)

 

怪談 24の恐怖

三浦正雄編(講談社、1905円)

◆怖い話は好きですか?

あなたは恐怖の体験をしたことがあるだろうか? この本は、江戸川乱歩や星新一など、有名作家が書いた日本の怪談を24編まとめたものである。なかでも、村上春樹の作品「鏡」が気に入った。主人公が学生時代に学校の夜警の仕事中、夜の真っ暗な校舎で鏡に映る自分の姿に驚かされるという物語だ。でも当然笑い話では終わらない……。怖い話って面白い。(鈴木修太君・2年)

 

これは経費で落ちません! 経理部の森若さん

青木祐子著(集英社オレンジ文庫、550円)

◆始まりは領収書から

天天コーポレーション経理部の真面目な森若沙名子の周りでは、お金の合計が合わなかったり、営業部員に不倫疑惑が出たり、さまざまな問題が起こる。これらを森若たちはどのように解決していくのかを描いた連作短編集だ。森若と明るい営業部のエース山田太陽の恋模様にも注目! 特に太陽が森若に懸命にアタックする姿に心惹かれる。2019年7月クールで放送されていたドラマを見た人も、ドラマとは少し違った物語や人物などの原作を読んでみてはどうだろう。(小室菜津実さん・1年)