「センスがない」。私は吹奏楽部で顧問に言われ、そのたびに落ち込んでいました。「ああ、頑張らないと」と自分を追い込みたくなりますが、ちょっと待って。そもそもセンスって何なのだろう。ないなら、どうすれば良いのだろうと考えてみました。(高校生記者・きこむ=2年)
「センス」ってどんな意味?
「センス」を検索すると、次のように出てきます。
- 1、物事の感じや味わいを微妙な点まで悟る働き。感覚。また、それが具体的に表現されたもの。
- 2、判断力。思慮。良識。
- (小学館「デジタル大辞泉」より)
顧問の言う「センス」は1の意味だと考えられます。では、「センスがない」とはどういう状態なのでしょうか。
私は音楽をやろうとする人間です。「物事の感じや味わいを微妙な点まで悟ろう」とし、表現しようとしています。そうした演奏を「センスがない」とされてしまう。技量が足りないのだと思い、何度も練習しましたが、評価は変わらず、悔しくて仕方ありませんでした。

相手の「センス」も知りたい
「センス」は、簡単に使えて、簡単に人を否定できる言葉です。「センスがない」と言われ、悩んでいる人も多いのではないでしょうか。絵を描いている人、音楽をしている人、運動に取り組む人……誰にでも当てはまると思います。
「センスがない」と言われた時、私は「悔しいけれど、顧問のセンスも知りたい」と考えるようにしました。これが私なりの、センスとの向き合い方です。かなり抽象的ではあるのですが、顧問が自身のセンスを部員全体の前で話してくれるので、自分なりに理解しようとしています。
センスは人によって違う
「センスがない」とされるのは、向き合っている事柄の受け取り方にズレがある時です。自分のセンスと相手のセンスが一致しなかっただけです。
物事の感じ方や味わい方は、それまでの人生によって異なります。表現の仕方も人それぞれ。相手と合わなければ、自分のセンスは伝わらず「センスがない」と言われるのだと思います。
だからこそ、相手のセンスを知ってみたくはありませんか。相手の世界を知り、自分のセンスの幅を広げてみませんか。「センスがない」を成長の機会にするのです。

自分のセンスを信じて
相手のセンスを知るのが、「センスがある」人に近づける第一歩ではないでしょうか。ただし、最初の自分を捨てないままで。私たちはすでに十分すてきなセンスを持っているはずです。それがもっと多くの人に伝わるように。多くの「センス」を知り、今の苦しさを輝きに変えていきましょう。
- きこむ 大分県在住。吹奏楽部で日本語とクイズが特に好き。QuizKnockの方々が大好きで大尊敬。タルト、カフェオレ、オムライスを与えると喜ぶ。