自分の意見を伝えるのは、大切。でも、簡単ではありません。うまく言葉にできず、後悔した経験がある人も多いのではないでしょうか。ここでは、私が意見を伝えられずに苦しんだ経験と、その後の変化について紹介します。(高校生記者・ふじさき=3年)
価値観が合わず私はおじゃま虫
私は中学生のころ、卓球部に入っていました。「もっと強くなりたい」と努力していましたが、まわりのメンバーは「今を楽しむ」という雰囲気でした。

みんなに「試合で勝つ」考えはなく、私はおじゃま虫のようで居場所がありませんでした。「どっか行って」と言われているような空気のなかで、思いを口に出せず退部しました。
しかし、「自分のやりたいことを貫き通すべきだったかな」「もっと話し合うべきだったのかな」と、モヤモヤがつきませんでした。
話し合いから逃げなかった
高校生になり、後悔したくないと思い切って三つの部活に入部。「ひとつでも続けられるものが見つかればいい」と考えての決断でした。
一つは放送部です。作りたい作品の方向性が一人一人違い、「嫌だ」と感じた時は、思い切って気持ちを伝えました。
以前の私なら、喧嘩が嫌で、話し合いなんてせず流してしまったと思います。しかし、勇気を出して「どうしたら互いの思いを尊重できるか?」「みんなの方向性を加味した作品を作れるか?」と話し合いをしました。うまくいかず対立し、つらくて「もう行きたくない」と思った時もあります。

それでも、あきらめずに納得できるまで何度も意見を交わし、「伝える」ことから逃げませんでした。
ぶつかったから仲間になれた
いま、卒部を迎えて思うのは、「あの時伝える努力をしてよかった」という気持ちです。考えを共有し、ぶつかりながらも理解し合ったからこそ、「仲間」と呼べる人たちと出会えました。
思いを声にして伝えたからこそ、全力でやりきった時間が何より大切な宝物になりました。3年間、三つの部活を退部せず続けられたのは、仲間に支えてもらえたからです。

意見を伝えるのは難しいけれど
全力で頑張るためには、どんな部活であれ、友達や先輩、顧問にコーチなど、周りとのコミュニケーションが不可欠です。相手を理解し、納得できない考え方や取り組み方は我慢せず、包み隠さず伝えられる関係性ができれば、ギスギスした雰囲気を取り除けると思います。
意見を伝える際、ちょっとした言い回しで相手を傷つける時があるので、言葉遣いには特段気をつけました。怖くて言えない時も、ほんの少し勇気を出して一歩を踏み出せば、状況は大きく変わる場合があります。ゆっくりでも、自分の思いを信じて、前へ進んでほしいです。