バレーボール女子決勝は8月11日、東京体育館で行われ、金蘭会(大阪)が熊本信愛女学院(熊本)を3-0で下し初優勝を飾った。徹底したレシーブ練習と、選手層の厚さを武器に「高校3冠」への第一歩を踏み出した。 (文・写真 小野哲史)
初優勝の決め手となったのは、大会に向けて強化してきたレシーブだった。主将のセッター堀込奈央(3年)=大阪・金蘭会中出身=は「全体的に身長が低いので、高さではなく下で勝負しようと。普段から練習時間の7割くらいはレシーブに充てていました」と話す。大会序盤は緊張のせいで、選手はなかなか思うようなプレーができなかった。しかし、決勝ではブロックとレシーブが見事に機能してストレート勝ちを収めた。
選手一丸で乗り切る
今年の春から有力な1年生が加わったのも大きかった。宮部藍梨と島田美紅は、昨年の全日本中学選手権で金蘭会中を準優勝に導いた立役者。池条義則監督(53)は「今後はチームのエース格になってもらわないと困る」と期待する。
1年生の台頭に、上級生も奮起した。チーム全員で切磋琢磨(せっさたくま)しながら全国私立高校選手権、府大会、近畿大会を戦い抜いた。連戦が続くインターハイを乗り切れたのは、出場メンバーを固定せず、選手ごとに休養日を設けられる選手層の厚さがあったからだ。
チームのスローガンは「Top of Japan」。日本一への思いを込めて考案した堀込は「夢だった高校3冠の1つが取れた。これに浮かれず、また厳しい練習を積んで次の大会に向かっていきます」と前を見据えた。
チームデータ 創部年不明。部の本格強化は2007年から。部員33人(3年生12人、2年生8人、1年生13人)。前回大会はベスト4、今年1月の全日本高校選手権(春高バレー)はベスト8。