高校生世代の女子にとって生理痛や冷え性は身近な悩みだ。対策や病院を受診すべきタイミングについて産婦人科が専門の加藤聖子先生に聞いた。(野口涼)

Q.低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬(低用量ピル)ってどんな薬?

A.月経困難症によく効きますが、血栓症のリスクに注意。

強い生理痛が緩和する

 

強い生理痛で日常生活に支障をきたす「月経困難症」で産婦人科を受診したとき、処方されることが多いのが低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬(LEP)で、よく効きます。俗に低用量ピルと呼ばれています。ピルというと経口避妊薬(OC)を連想する人が多いかもしれませんが、成分は同じでも使う目的が違います。月経困難症で処方される場合のLEPは保険が適用されます。高校生世代が飲んで問題ありません。毎日1錠を飲むようにします。いろいろな種類があり、休薬期間があるタイプもあります。

血栓ができるリスクがある

LEPの副作用は、血栓症のリスクが高くなること。特に飲み始めの3カ月間は要注意です。服用を始めてからふくらはぎに痛みが生じた場合は、血栓ができている可能性があるため、すぐに産婦人科医を受診する必要があります。

LEPの他に月経痛に効果がある薬として、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)、桃核承気湯(とうかくじょうきとう)などの漢方薬があります。産婦人科医に相談して処方してもらい、試してみる価値はあるでしょう。

気軽に産婦人科へ

多くの女性は1カ月に1週間、月経前症候群がある人は月の約半分にわたって月経の影響を受けることになります。その間生活の質が落ちているとしたら人生の損失。気軽に産婦人科を訪ね、改善してください。

 

加藤聖子先生 

かとう・きよこ 九州大学大学院医学研究院生殖病態生理学分野(産科婦人科)教授。