指すはリオデジャネイロ五輪と東京五輪。女子ビーチバレーの強化に取り組む京都・福知山成美バレーボール部の中心選手が石坪聖野(さとの)(3年)=京都・桃映中出身=だ。今年10月に高校生としてただ一人、ビーチバレー日本代表に選出。世界に羽ばたく妖精が誕生した。(文・写真 坂祐三)

校舎裏手の小高い丘の上に、こんもりとした林に囲まれたビーチバレーコートがある。全国でも珍しい専用コートで、石坪は他の部員と砂まみれになりながら練習に明け暮れている。「ビーチバレーは風や自然環境を考えながら、瞬時の判断で戦略的にプレーするのが面白いんです」と語る。

松田英人監督(46)の方針の下、バレーボール部女子は3年前からビーチバレーに特化して活動。部員9人の少数精鋭で、今年8月に愛媛県で行われた高校女子最高峰の大会「マドンナ・カップ」で、1位から3位を独占する快挙を成し遂げた。石坪と池内文香(3年)=同・南陵中出身=のペアは3位だったが、石坪の海外遠征の影響や、池内の足の故障があった中で地力を見せた。

高校生で日本代表入り

 

バレーボールをしていた石坪が小学5年の時、松田監督がその素質にほれ込んだ。「中3で進路を決める時期に、うちでビーチバレーをやらないかって誘われたんです」と、石坪は転向を決めた理由を話す。

170㌢と大柄ではないが、長い手足が実際よりも体を大きく見せる。日本代表では、現在のナンバーワンプレーヤー草野歩(28、ミキハウス)とペアを組み、世界を相手に戦う。3年後のリオ五輪、7年後の東京五輪へアタックする。

「(7年後は)いい年齢だと思っています」 石坪は瞳をきらりと輝かせた。

ビーチ特化3年目
◆チームメモ ビーチバレーに特化して3年目。部員は3年生2人、2年生4人、1年生3人。8月のマドンナ・カップでは北村咲幸、若井衣有の2年生ペアが優勝。坪内紫苑、蓮見真歩の1年生ペアが2位だった。

女子硬式野球部も
◆福知山成美 京都府福知山市にある全日制の私立校。2000年に福知山商から改称。部活動が盛んで、硬式野球部は甲子園に春1度、夏4度出場。09年には全国で6校目となる女子硬式野球部が創部された。