内村彩乃さん(岡山・金光学園高校3年)は昨年度、LINEやツイッターなどのいじめをなくすにはどうすればよいかをテーマに、研究した。過去に自身がいじめの被害にあった経験がある。「いじめを減らそうと昔から言われているのに状況は良くならないのはなぜか、調べたいと思ったんです」
教科書内容の見直しを
LINE社によるネット利用実態調査によると、スマートフォンやパソコンでインターネットを使い始めるのは小学6年までが約4割、中学2年までが約8割だと分かった。
日米の法律を比較したり、小学校や中学校の道徳の教科書を調べたりした。「教科書には『思いやりを大切に』『ネットいじめはダメ』など、基本的な内容しか書いてなくて、いじめの実情に即していない『ひと昔前の内容』だと感じました」
教科書にネット上でのいじめの実例を載せたり、「LINEのグループからいじめ対象を除外し、陰口を言う」ことを実際にロールプレーイングしたりするなど、より踏み込んだ内容を提案した。「先生が精神的な余裕を持てるように仕事を軽減し、若い先生も対応できるように適切な研修を受けるなども必要だと思います」(野村麻里子)