高校生世代はニキビに悩む人が多いだろう。ニキビをつくらない、跡にしない方法を皮膚科専門医の深野祐子先生に聞いた。

不規則な生活が引き金に

 

ニキビの原因には、体質的なものと環境的なものがある。特に思春期から20歳くらいにかけては、ホルモンバランスの変化から皮脂の分泌が過剰になりやすい。皮膚のターンオーバーがうまくいかず、毛穴が詰まって雑菌が繁殖しやすくなる。寝不足などの不規則な生活やストレス、女子なら生理前のホルモンバランスの乱れもニキビにつながる。

ニキビには3つの段階がある。毛穴が詰まり、表面が白くなった状態が「白ニキビ」、白い部分が酸化して黒くなったのが「黒ニキビ」、ニキビ菌が繁殖して赤く炎症を起こしてしまった状態が「赤ニキビ」だ。白ニキビのまま重症化しなくてもニキビ跡になるケースもある。

授業中の頰づえはNG

ニキビを悪化させない、ニキビ跡にしないための鉄則は、さわらない・隠さない・つぶさない。授業中に頰づえをついたり、髪で顔を隠したりすることも刺激になる。「特におでこにニキビができている場合は、家の中だけでも前髪を上げておきましょう」

ニキビをつくらないためには、寝不足を避け、適度な洗顔を心掛けよう。「甘い物や脂っぽい物を食べるとニキビができやすいといわれますが、科学的な根拠があいまいです。高校生の場合、過度な食事制限をするより、バランスの良い食生活をしましょう」

洗顔は1日2回が目安

意外に間違っているのが顔の洗い方。洗わないのも洗い過ぎも良くない。基本的には1日2回、高校生世代ならよっぽどの乾燥肌でない限りは洗顔料を使う。その際、大切なのはよく泡立てること。洗顔は手でなく、泡または水でするもの。顔と手の間に泡や水を1枚挟む気持ちで洗うといいだろう。

毛穴パックなどの自己流のお手入れも禁物だ。皮膚に余計な力が加わり、余計に悪化することもある。「洗顔料や化粧水など肌に触れるものは、ノンコメドジェニックという表記のある、ニキビをつくりにくい処方の製品を選んでください」

ニキビ治療のゴールは、ニキビのできにくい肌にすること。最近は菌を殺す薬だけでなく、毛穴の詰まりをコントロールする薬も出ている。「ニキビは皮膚科で治る病気であることを知ってほしいです」 (野口涼)

 

深野祐子先生

ふかの・ゆうこ 日本皮膚科学会認定皮膚科専門医。医学博士。2014年に東京都品川区にめぐろ皮膚科クリニックを開設。