熱中症に詳しい清水敬樹先生(多摩総合医療センター)に、夏に部活をするときの注意点を聞いた。(野口涼)

Q. 夏でも運動部でたくさん活動する生徒が注意したほうが良いことは?

A. 練習がつらいと言える環境を整えよう。

 

スポーツドリンクを薄めて飲む

周知の事実ですが、水分補給をまめに行うことが大切です。高校生なら水や麦茶で問題ありません。ただし、屋外での運動で汗だくになるような場合は、水で倍に薄めたスポーツドリンクがおすすめ。気になる糖分を抑えることができます。スポーツドリンクがなければ、水を飲むときに少量の塩をなめるだけでもいいでしょう。

といっても、熱中症対策の基本中の基本は、しっかり寝て、しっかり食べることです。日ごろから規則正しい生活を心がけるようにしましょう。

無理をしない雰囲気づくりを 

炎天下でも部活をやることもあるでしょう。そうした環境で熱中症になるのは、体力のない下級生より、むしろ部長やキャプテンなどが多い傾向があります。

リーダーとして頑張る部員は、責任感から無理をしてしまいがち。仲間同士、積極的に声を掛け合い、休むようにしましょう。「顔が真っ赤になる」「異常に汗をかいている」「みんなが汗をかいているのに一人だけかいていない」などの異変が見られたら要注意。また、もし指導者から無理な指示が出されたら、「無理です」と全員で声を上げられる雰囲気をつくることも大切です。

 

清水敬樹先生

しみず・けいき 東京都立多摩総合医療センター 救命救急センター長。日本救急医学会の熱中症および低体温症に関する委員会委員長を務める。