富士見丘高校の生徒たち

スーパーグローバルハイスクール(SGH)指定校などが研究成果を披露するSGH甲子園(関西学院大学など主催)が3月23日、兵庫県の同大で開催された。英語プレゼンテーションでは、富士見丘高校(東京)が最優秀賞に輝いた。

大根使い切る料理を紹介

中学3年時にボランティアグループを作り、食品ロスを減らす啓発活動を行ってきた仙石真心さんに佐藤利香さん、佐藤深生さん(ともに2年)が興味を持ち、フードロスの研究に取り組んできた。

今年1月、研修旅行でマレーシアを訪問し、高校生を対象にフードロスについてワークショップを行った。

事前にモスクやマレーシア・フェアを訪れてマレーシアの食文化について学び、エコクッキングを研究し、フードロスとは何か、食品廃棄を避けるために何ができるかをまとめたパンフレットを製作。また飢餓の解決を図る国際NGOではワークショップの運営についてアドバイスをもらい準備した。

ワークショップでは自作のすごろくやパンフレットで理解を深めてもらい、パンフレットを配布し、大根1本から8種の料理を作って食材を使い切る調理法を紹介した。

マレーシアで聞き取り

さらに高校やショッピングモールで、マレーシアのフードロスの現状について聞き取り調査した。その結果、マレーシアでは外食が中心で、家庭で調理する機会が少ないと分かった。学校での食育も十分ではなく、環境に配慮し、食品を大切にする意識も低いために、フードロスが起きていた。

今後はさまざまな国でワークショップを行いたいと意気込むが、まずは「私たち一人ひとりが食事を残さないなど小さなことから意識を変える。知識を発信する。そうして個人から社会を変えていきたい」(佐藤利香さん)。一方、知識を広めるだけでなく現地で学んだ「食べることは幸せという価値観を日本に持ち帰り、広めたい」(佐藤深生さん)とも考えている。(木和田志乃)=学年は大会時

入賞一覧(敬称略)

【英語プレゼンテーション】

最優秀賞・富士見丘中学高等学校(東京)「Trashed Treasures - FOOD LOSS -」

優秀賞・葺合高校(兵庫)

【日本語プレゼンテーション】

最優秀賞・神戸大学附属中等教育学校(兵庫)「第二言語としての英語学習において読書経験が「辞書観」に与える影響」

優秀賞・関西学院高等部

【英語ポスター発表】

最優秀賞・高槻高校(大阪)

優秀賞・千里高校(大阪)

【日本語ポスター発表】

最優秀賞・日高高校(和歌山)

優秀賞・岡山学芸館高校(岡山)

【グループディスカッション】

最優秀賞・小川紗季(岡山・岡山城東高校)

優秀賞・長野羽良(兵庫・国際高等学校)

優秀賞・濱野那由(金沢大学人間社会学域学校教育学類附属高校)