「寝ても寝ても眠い」「すっきりと目覚められない」といった睡眠に関する悩みの原因と対策について、睡眠科学を専門とする医師の大川匡子先生(睡眠総合ケアクリニック代々木理事)に聞いた。(野口涼)

Q. 悪夢を見てしまい、朝から憂うつな気分です。悪夢を見なくする方法は?

A. 心配事やストレスが原因になることも。紙に書きだそう。

 

悪夢を見ることは誰にでもありますが、それが長期間にわたって繰り返されると眠れなくなったり、日中の集中困難を引き起こしたりすることもあります。

原因としてもっとも知られているのが「外傷後ストレス障害(PTSD)」です。事故や犯罪、自然災害などに巻き込まれたり目撃したりしたことをきっかけに強い精神的苦痛が続く障害で、しばしば悪夢にうなされます。

寝る1時間前からリラックスしよう

PTSDとまではいかなくとも、ストレスは悪夢につながるものです。ストレスの原因をすぐに取り除くのが難しければ、せめて寝る前の1時間はリラックスを心掛けましょう。心配事や翌日の予定については就寝の1時間前までに紙に書き出し、寝床には持ち込まないといった工夫もオススメです。

睡眠中の異常現象には悪夢のほか「歯ぎしり」「寝言」などもあります。歯ぎしりは歯の摩耗・損傷につながり、顎関節を痛めることもあるので、ひどい歯ぎしりがあるようなら歯科を受診しましょう。 それでも解決しなければ、睡眠障害専門の医療機関などを受診しよう。

 

大川匡子先生

おおかわ・まさこ  医学博士。睡眠総合ケアクリニック代々木理事。携わった書籍に『睡眠障害の子どもたち』(編著)、『睡眠のなぜ? に答える本』(監修)など。