チョーク開発をする伊藤さん(左)と泉水さん(学校提供)

泉水萌花さんと伊藤響さん(東京・文京学院大学女子高校、共に3年)は、塩を使ったチョークの研究に取り組んでいる。

普段、チョークを頻繁に使用する先生たちに、使用感について聞き取り調査を実施した。「口に入ったチョークの粉が苦手という先生が多くいました」(泉水さん)。そこで、体内で溶ける水溶性の材料でチョークを作ることを考えた。

塩と洗濯のりに注目

材料として、塩化ナトリウム(食塩)と、洗濯のりの主成分として使用されるPVA(ポリビニルアルコール)に着目した。チョークを作るまでの過程は、まず塩化ナトリウムをブレンダー(粉砕機)で細かく砕き、チョーク作りに適した粉末にする。そして、塩化ナトリウムの粉末を粘度のあるPVA水溶液と混ぜて乾燥させ、チョークの形に成形する。

「塩化ナトリウムをどのくらい細かくすればチョークに適す大きさになるのか、探っている最中です。チョークの形にするまでは大変な実験が続きますが、それが楽しさでもあります」(伊藤さん)。完成を目指し、研究を続けている。 (中田宗孝)