市川真人(静岡学園3年)は、204センチ104キロの規格外の体格と明るく前向きな性格の持ち主だ。冬の県新人大会で19年ぶりに東海大会へ進出を決めるなど、躍進を遂げている。頼もしい大黒柱は、仲間たちをさらに高みへ引っ張り上げられるか。大学生主体のキャンプに参加し、成長し続ける姿を追った。 (文・写真 青木美帆)
シュート力に自信
2月後半から3度にわたって行われたU22男子日本代表の候補合宿。市川真人は最年少で選ばれ、最後の第三次合宿まで参加した。「2次で落ちると思っていたので、自分でも驚きました」と笑う。
恵まれた体格を生かして、強豪校の留学生センターと1対1で戦える希少な存在。柔らかいシュートタッチも大きな武器で、U22の合宿中には、先輩たちの多くが失敗した「30分間で3ポイントを10本連続で決める」という課題に成功している。「シュートは自信があります」と胸を張る。
1点差の敗北、胸に
バスケットボールを始めたのは小学2年生。当初は体力をつけることが目的だったが、徐々に競技の楽しさを感じられるようになった。中学入学当時185センチだった身長は、卒業時に201センチに。県外の強豪校からもスカウトが来た中、先輩たちの優しさや学習環境にひかれて静岡学園に入学した。
冬の県新人大会で静岡学園は3位入賞を果たし、19年ぶりに東海大会に進んだ。市川は東海大会2回戦で30点を挙げる大活躍だったが、チームは1点差で敗北。「自分たちはもっと上に行けるはずのチーム。自分も40点とれた。勝てなかったことが腹立たしかった」と悔しさを隠さない。
チームに何が足りないのか。大学生主体の合宿に参加して、分かったことがある。「先輩たちは練習に対する意欲がすごく高くて、特にディフェンスのときによくしゃべる。でも自分たちのチームはそれができていない」
誰よりも大きな声で
合宿で得た気づきを持ち帰り、練習中は誰よりも大きな声で仲間を鼓舞し、的確な指示を与えるようになった。監督でなく市川が練習を中断し、練習の修正ポイントを伝えることも。
近野修監督は「以前はこういうことができる選手ではなかった」と、その成長を頼もしく見つめている。
22歳で迎える2023年のワールドカップ出場とBリーグ入りを目指す大器は、心身ともにまだまだ成長中。最終学年となる今年度は、まずはチームを静岡1位に導くことが目標だ。
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Q&A 中3でダンク成功
Q 試合前のゲン担ぎは?
A TWICEやBLACKPINKなど、韓国アーティストの曲を聴くことです。
Q 得意教科と苦手教科は?
A 得意なのは英語。苦手なのは数学です。
Q 好きなバスケット選手は?
A NBAだとニコラ・ヨキッチ(デンバー・ナゲッツ)、Bリーグだと桜木ジェイアール(シーホース三河)です。
Q 息抜きの時間には何をしますか?
A 「2K」というバスケのゲームをすることです。
Q 初めてセレクションにかかったのはいつですか?
A 中学2年生のときに、U14の育成キャンプに参加したのが初めだと思います。
Q 初めてダンクシュートができたのはいつですか?
中学3年生のころです。静岡学園に練習に来ていて、体幹トレーニングをやった後に挑戦してみたら……成功しました(笑)。
- いちかわ・まさと 2001年9月20日、静岡県生まれ。磐田市立南部中出身。入学時は運動能力があまり高くなかったが、現在は体力テストで学年14位に入るまでに成長を遂げた。204センチ104キロ。
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