8 月31 日と9 月1 日に開催された東京・青山高校の外苑祭。伝統のミュージカル目当てに、6千人の来場者でにぎわった。3年2組と7組の計52 人は合同で「レ・ミゼラブル」を上演。勉強との両立に悩みながらも一丸となって取り組み、大きな感動を味わった。(文・野口涼、写真・幡原裕治)

 

8 月31 日と9 月1 日に開催された東京・青山高校の外苑祭。伝統のミュージカル目当てに、6千人の来場者でにぎわった。3年2組と7組の計52 人は合同で「レ・ミゼラブル」を上演。勉強との両立に悩みながらも一丸となって取り組み、大きな感動を味わった。(文・野口涼、写真・幡原裕治)

主人公・ジャンバルジャンが天国に導かれるラストシーン。中水樹良君らの魂のこもった歌と演技に、教室は感動と拍手の渦に包まれた。

2・7組合同での上演となったのは、両クラスとも「受験勉強のため公演には参加しない」と決めた生徒が多かったからだ。

参加する生徒にとっても勉強時間の確保は切実な問題。両クラスを率いる監督団の小早川大真君は、仲間が塾や予備校を休まずに済むよう効率的な練習スケジュールを組んだ。「経験から、全員練習は夏休み後半の10日間でいける、という確信がありました」

ところが、初めて全員がそろった8月19日、覚えてくるはずの歌を歌えない生徒が続出。その夜、監督団はLINEを使って「もっと真剣にやろう」とげきを飛ばした。

それから生徒たちの動きが変わった。毎朝8時に集合し、練習するようになった。「本番前の1週間は皆が本当に一致団結できたと思います」と、マリウス役の山口直輝君は振り返る。

2日目の最終公演。ラストの「民衆の歌」はキャスト全員で泣きながら歌った。裏方の生徒も全員が泣いた。

「終わって泣けるほど真剣に取り組めたのはスゴイこと」と監督団の宮﨑竜也君は話す。 観客投票による最優秀賞こそ逃したが、2位に入った。気持ちを切り替え、秋からは受験勉強に集中する。