友情が描かれた小説 大阪・清水谷高校図書委員会のオススメ

響け!ユーフォニアム 北宇治高校 吹奏楽部へようこそ
 武田綾乃著(宝島社文庫、710円)

◆部活動で育まれる友情

過去には全国大会に出場したこともある北宇治高校吹奏楽部は、顧問が変わってからは関西大会にも進むことができていない。新しく赴任した顧問の厳しい指導のもと、部員たちは力を伸ばしていくが、そう甘くない。ソロパートをめぐる争いや、勉強を優先して部活を辞めていく部員たち。爽やかな青春や友情の中に、人間関係のシビアさが見え隠れする物語だ。(おもち・2年)

 

盲目的な恋と友情
 辻村深月著(新潮文庫、594円)

◆細かな心情が伝わる

元タカラジェンヌの娘で美貌を持つ蘭花は、学生オーケストラで指揮者の茂実と恋に落ち、人生が狂っていく。友人の留利絵も彼女との友情に依存し、壊れていく。細かな心情の変化と同性同士の友情の闇を、醜くも美しく描いたストーリー。一風変わった恋と友情を読みたい方にはお勧めだ。(内藤・2年)

 

2.43清陰高校男子バレー部
 壁井ユカコ著(集英社文庫、562円)

◆デコボココンビがチームを変える

清陰高校男子バレーボール部は、万年1回戦負けの弱小チームだ。しかし、灰島と黒羽のデコボココンビの入部で、チームは大きく変わっていく。圧倒的な情熱と才能ゆえ周りとうまくいかないセッター灰島、ずばぬけた身体能力があるけれどヘタレなエース黒羽の姿が光る。全国大会を目指す部員たちの青春に注目だ。(そう・2年)

 

夏の庭 ―The Friends―
 湯本香樹実著(新潮文庫、497円)

◆僕とおじいさんの絆描く

「僕」たちは「もうじき死ぬんじゃないか」とうわさされている、一人暮らしのおじいさんを見張り始めた。だが、見られていることに気付いたおじいさんは、だんだん元気になって、家や庭の手入れを始めた。やがておじいさんと話すようになった僕たちは、その夏、さまざまなことを知った。児童文学と侮るなかれ。高校生にこそ読んでほしい。(みょん・2年)

 

悪ノ娘 緑のヴィーゲンリート
 悪ノP(mothy)著(PHP研究所、734円)

◆精霊と卑屈な少女の物語

村に住む少女が、負傷したコマドリを助ける。そのコマドリは森の精霊で、人間の姿となってもう一度少女に会いに行く。少女の母親の死をきっかけに深く理解し合えた2人は、共に村を出て屋敷の使用人として働き始めるが、大きな困難が2人を襲う。さまざまな人たちと関わり、助けられ、乗り越えていく様子に、深い友情と愛情を感じられる。(えとー・1年)

 

※価格はすべて税込み