宇都宮中央女子高校(栃木)は2022年度から男女共学となる。生徒の発案で、歴史ある母校への思いを込めて愛唱歌を制作した。
共学化後も「校風伝えたい」
前生徒会長の小野口愛梨さん(3年)が、一昨年9月の生徒会長立候補演説で公約に掲げ、生徒会顧問の協力を得て実現させた。16年の熊本地震の被災者を歌で励ます芸能人の映像を見て思いついた。「女子校として築いてきた校風を共学後も伝えたい。その思いを込めた、誰でも気軽に口ずさめる歌を作りたいと思いました」
4月から、小野口さんら生徒会メンバー16人で歌作りを始めた。歌詞は、全校生徒から学校生活を連想させるフレーズをアンケートで募り、約700語の中から生徒会で何度も話し合いを重ねて選んだ言葉で構成した。Aメロには学校の景色を、Bメロには仲間との日々を、サビには前向きなメッセージ性の強い言葉を紡いだ。
作曲は、小野口さんを含む合唱部、吹奏楽部の部員ら有志7人で、部活や受験勉強の合間を縫って取り組んだ。全校生徒からの公募で曲名は「道しるべ」に決まり、毎日の清掃時の校内放送で曲を流し、生徒の耳に届けた。
11月の創立90周年記念式典では、全校生徒で歌い上げた。「私たちと未来の後輩たちの懸け橋となる歌を残せました」。今後、体育祭や文化祭など生徒会主導の行事で歌い続けていく。 (中田宗孝)
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愛唱歌「道しるべ」
作詞作曲:宇都宮中央女子高校 平成30年度生徒会・有志生徒(曲作り隊)
編曲:寺嶋陸也(作曲家、ピアニスト)
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1.緑さわやかに吹く風と 色鮮やかに差し込む
光に背中押され 新たな日々が始まる
楽しげな明るい声 共に過ごす仲間がいる
刹那に流れる時間を 今この瞬間をずっと
描きたい夢があるから 進むべき道がここにあるから
飛び立て勇気の翼で 輝く今を生きながら
うまくいかないときもある 苦しく思う時もあるけど
手と手を取り合い進んでいこう 夢にまで見たあの場所へ
2.こがね色に染まる道で 一つになる想いのかけら
積み上げた時間と共に 未来へ歩き続ける
培った努力の結晶 共に流す涙の数
刹那に流れる時間を この先も変わらずずっと
描きたい夢があるから 進むべき道がここにあるから
飛び立て勇気の翼で 輝く今を生きながら
うまくいかないときもある 苦しく思う時もあるけど
手と手を取り合い進んでいこう 夢にまで見たあの場所へ