私は生徒会役員です。生徒から学校生活に関する意見を集める「意見箱」に力を入れています。しかし、意見が通らないと生徒から役員が責められ、疲れています。生徒と教師の板挟みになりつらいのです。(高校生記者・アルパカ=1年)
意見が通らないと生徒から責められ
意見箱は「生徒の意見を集めて学校生活の質の向上を目指す」という目標のもと、最近導入されました。意見投函(とうかん)後は、まず生徒会役員が内容を確認し、必要に応じて職員会議に提出します。職員会議では審議が行われ、結果が生徒会に伝えられます。

役員が結果を生徒に伝える役割を担っているため、実現しなかった意見に対して、生徒からの厳しい言葉はすべて役員に向けられるんです。
「先生を動かせる力がない」と怒りの声が
例えば、私の学校ではスマートフォンの使用が禁止なので、「学校内で自由に使いたい」という意見が届いても職員会議で却下されました。
すると、生徒から「タブレットは重くて不便だからスマホを使いたかったのに」「生徒会に懇願しても先生を動かせる力はない」などの怒りや失望の気持ちをぶつけられました。納得できない生徒は再び同じ意見を出しますが、審議の結果は変わりません。何度も繰り返され、役員はみんな疲弊しています。
「生徒会は仕事をしない」と言われショック
ある日、友人が「生徒会(役員)はなかなか仕事をしないから、意見を入れる意味はあるのかな」と言っていて、ショックを受けました。「意見が通らない=生徒会が機能していない」と見なされている現実を突きつけられたからです。その時「生徒と教師の意識を変えなければ」と強く思いました。
校則はなかなか変えられない…
役員が懸命に先生に働きかけても、先生は「今の校則でうまく学校が成り立っているから、変更する必要はない」と一刀両断。耳を傾けてくれません。長く勤めている先生も多いせいか、意見が通りにくいんです。
確かに、校則が長年変わってこなかったのには理由があるはず。簡単には変えられないという現実を、生徒に理解してもらわないといけません。過度に期待するのではなく、「意見として先生に提示する」スタンスを大切にする必要があります。

先生側も柔軟な対応をしてほしい
一方、先生側も「一部変更を認める」など柔軟な対応をしてほしいと思います。例えば「校内でのスマホ使用を許可してほしい」という意見に対し、「行事の時のみ認める」といった一部変更であれば、実現の可能性が高まり、検討もしやすくなるはずです。
みんなが納得できる制度を作りたい
届いた意見がどんな流れで採用、不採用になるか、流れを生徒にわかりやすく周知し、生徒会役員が誤解されないような体制を作りたいです。板挟み状態が解消されれば、生徒会の活動もしやすくなりそうです。

生徒と先生、みんなの意識が変わらなければ、「学校生活の質の向上」はいつまでも実現できません。適切な意見箱のあり方を全校で考え、納得できる制度を一緒に築いていきたいです。
- アルパカ 東京都在住。ボランティア部所属。趣味はアイドルソングを聞くこと。推しは=LOVEの齋藤樹愛羅さん。