新年を迎え、手帳を新調した人も多いのでは? 勉強、部活、プライベート……。忙しい高校生が長期的な計画を立てて、充実した日々を送るにはどうすればよいだろう。中高生向けの手帳を開発・販売しているNOLTYプランナーズの小竹森直子さんと中島裕理さんに、1年間のスケジュールの立て方や手帳の書き方を聞いた。( 中田宗孝)

PDCAで計画しよう

――1年間のスケジュールはどう立てればよいですか?

すでに決まっている予定を基に年間スケジュールを立てるやり方が始めやすいです。去年の学校生活を思い出したり、学校から配られた行事の表を確認したりして、学校行事や各学期のテスト期間といった、決められた日程をまずは手帳に書きましょう。同じように、部活の大会や発表会も毎年時期が同じなので、年間スケジュールに書き込みやすいと思います。

そして、「PDCAサイクル」という思考法を身に付けるとよいでしょう。PDCAとは、PLAN(計画)、DO(実行)、CHECK(振り返り)、ACTION(工夫)の頭文字。計画や目標を立てる→実行に移す→できたこと、できなかったことを振り返る→実行して上手くいったことはそのまま次に生かし、悪かったことは何かの工夫を加えて同じ失敗をしないように改善する。このP→D→C→Aのサイクルを意識しながら、計画を立てていきましょう。

 

優先順位を4分類

――部活も勉強も頑張りたい。複数を同時進行するには?

優先順位は①重要で緊急なもの②重要だけど緊急でないもの③重要でないが緊急なもの④重要でなく緊急でないもの―に分けられます。皆さんの予定を、この4つのどれかに当てはめて、①から順に、手帳に加えていきましょう。②を早めに片付けると、スケジュールがより円滑に立てやすくなります。

例えば、1週間後に提出の宿題。今は重要ではないかもしれませんが、時間がたつと重要で緊急なものになります。②の段階で終わらせてしまえば、自由に使える時間が増やせます。

目標は具体的な言葉で

――そもそも、目標を上手に立てる方法はありますか。

勉強面、部活動、プライベート、それぞれの目標があると思います。○○○になりたいといった将来の夢も目標の一つでしょう。目標と聞くと、1つに絞るイメージがあるかもしれませんが、たくさん目標を掲げてよいのです。それらの目標は、手帳を開いて最初にある「無地の厚紙のページ」に書きましょう。大きな目標は、よく目につく場所に書くのがポイントです。

大きな目標を掲げたら、その目標を達成するための月間、週間、日ごとの目標を細かく考えられるとよいですね。月間の目標は、手帳のそれぞれの月の余白部分に記入しましょう。

月間や今週の目標が書き込める欄を設けている手帳もあります。月間の目標には、「勉強を頑張る!」のような、ぼんやりとした目標ではなく、「何月までに英単語を○○○個覚える」といった期日を加えた具体性のある言葉を記しましょう。

必要な時間を見積もる

――目標を実現するための計画の立て方は?

志望校合格、全国大会出場などの目標があるとすれば、それを実現するために、やらなければならないこと、どんな行動が必要になるのかが思い浮かぶはずです。それを書き出して「やることリスト」を作ります。そして、やることに必要な時間を見積もり、そのために使える時間がどれくらいあるかを考え、実際に何日の何時から何をやるのかといった具体的な計画を手帳に書いていきます。

「何をいつまでにするのか」の期日をしっかり決めることが重要です。例えば、テストや大会日が期日となるので、それまでにどんな取り組みが必要かをやることリストに書き出し、やることをいつまでに何時間、何回行うといったことを手帳に記しましょう。

中島さん(左)と小竹森さん

NOLTYプランナーズ

企業や学校向けの手帳などを開発、販売している。手帳の使い方をまとめた「中学生・高校生のための手帳の使い方」「マンガでやさしくわかる中学生・高校生のための手帳の使い方」(ともに日本能率協会マネジメントセンター刊行)が発売中。