スマホの見過ぎで近視の不安を抱えていたり、何となく目が乾くなどの不快感があったりする高校生も多いだろう。「近視」と「ドライアイ」について、眼科医の鳥居秀成先生に聞いた。 (山口佳子)

高校生の近視 増加の可能性

2017年度学校保健統計調査(文部科学省)によると、裸眼視力1.0未満の高校生の割合は62%。30年前は53%というデータがあり、近視の割合は徐々に増えている可能性がある。

そもそも近視とは、目が全く調節していないときに、角膜・水晶体を通って目の中に入ってきた物体の映像が網膜よりも前方で結ばれてしまい、遠くにピントが合わない状態だ。この状態になる原因としては①角膜や水晶体の屈折力が強くなった(屈折性近視)②角膜から網膜までの距離「眼軸長」が伸びた(軸性近視)という大きく2つが考えられる。

こまめに目を休めよう

眼軸長が伸びて強度近視になった場合には、網膜剥離や緑内障などのさまざまな目の疾患にかかるリスクが上がるため、注意が必要だ。かつては、眼軸長の伸びは20歳くらいで止まると考えられてきたが、最近は成人以後も眼軸長が伸び続けることがあり、大人になってから近視になる人もいる。高校生以後も眼鏡などの度数が進み続けている人は要注意。眼科専門医に相談しよう。

近視を進めないために推奨されるのは、1日2時間以上の屋外活動だ。「外で過ごす時間が長いほど近視になりにくいという研究結果もあります」。また、勉強やスマホなど、近くを見る作業を1時間したら休憩して目を休ませよう。背筋を伸ばすなど姿勢も大事だ。

意識してまばたき

目が乾く、目がゴロゴロするなどの不快感があれば、ドライアイかもしれない。ドライアイとは、涙の分泌量が減ったり、量は十分でも涙の質が悪くなったりすることで、目を潤す力が低下した状態だ。油層、水層、ムチン層という涙の成分のバランスが崩れると、涙が蒸発しやすくなったり、目の表面に傷が付きやすくなったりする。その結果、目の乾きやゴロゴロするという症状が出てくる。

スマホやパソコンなどを集中して見過ぎていないだろうか。まずは意識してまばたきをしてみよう。まばたきは、目の表面に涙を均等に行き渡らせる働きがある。「市販の目薬を使っても改善しないようなら、ぜひ眼科を受診しましょう。涙の量や成分を検査し、その人に合った目薬を処方してもらえます」

 
 

鳥居秀成先生 (慶應義塾大学病院)

とりい・ひでまさ 眼科専門医、医学博士。慶應義塾大学医学部眼科学教室で近視研究を行う。全国高校体育連盟空手部の大会ドクターも務める。