全国のスーパーグローバルハイスクール(SGH)が集う「SGH甲子園」(兵庫・関西学院大学、3月19日)で井上加菜さん、幸田咲耶さん、砂山愛莉さん、永長里佳さん(ともに現3年)が英語プレゼンテーション部門の優秀賞に選ばれた。テーマは「医療革命~外国人患者の日本の病院探しのサポート~」だ。
「医療に関心があった」という4人。日本に来た外国人が病院で診察を受ける際、言語の違いによる苦労があるだろうと、通訳用のソフトウエア開発をテーマに2年生の4月から研究を始めた。しかし、つくば市の病院や海外フィールドワークで訪れたマレーシア、シンガポール、オーストラリアで調査を進めると、「言葉が通じなくても何とかなる。通訳は絶対に必要なものではない」(井上さん)と知る。
外国人患者をアプリで支援
4人で話し合った結果、「外国人が病院に行くまでの過程を手助けするものはできないか」(永長さん)と思いついた。そして、自分の言語や症状などの条件に合った医療機関を探し、診療時間などの情報を集め、予約するまでをまとめてできるアプリケーションのアイデアを生み出した。
校内での中間発表などを経て内容を洗練させながら、SGH甲子園に向けて英語による発表の準備も行った。「英語の先生からアドバイスをもらって表現の仕方を工夫しました」(幸田さん)
「賞は意識せずに、自分たちのベストを尽くそう」と4人で臨んだ本番。アプリのアイデアや説得力のあるプレゼンテーションは高い評価を得た。砂山さんは「発表の中に入れた、ちょっとした劇の受けが良かったのがうれしかった」とも振り返る。4人は「今回の研究をこれからに生かしていきたい」と口をそろえた。(文・写真 小野哲史)