人気の若手俳優として活躍する志尊淳さん。高校生のころに芸能活動を始め、演技力を磨くために努力を重ねてきた。「高校生活に無駄なことなんてなかった」と語る、仕事と学業を両立した日々を振り返ってもらった。 (文・中田宗孝、撮影・高松英昭)
球技大会でMVP
高校3年生の時、バスケットボールで競った全学年・クラス対抗の球技大会が思い出だ。「クラスによって球技大会に臨むモチベーションはまちまちでしたが、僕らのクラスは団結して1番を目指しました。僕自身も『勝つ!』という強い気持ちを押し出して全力でプレーしました」
結果は見事優勝。「クラス全員で成し遂げた達成感が心地よかった。実は、大会MVPを僕がいただきました」と笑う。
焦らず今を大切に
学校生活と並行し、高校2年生の時に、自らの意思で俳優の仕事を始めて今に至る。「人前に立つ以上、『演技の未熟な新人だから』といった言い訳は通用しないと思って取り組んできました。今振り返ると、高校生のうちに将来の目標を見つけられたのは強みでした。自分の演技力を磨くことに時間をたっぷり注げましたから」
将来の夢や進路を探している高校生には「焦る必要はまったくないです。今を大切に生きる。それだって、すてきなこと」と語る。「高校生活を思いきり満喫することが、将来、自分のやりたいことを見つけるきっかけになる」とエールを送る。「勉強に励んで、友人たちと切磋琢磨(せっさたくま)しながら、自分という『大きくて太い幹』をつくってください。高校生活に無駄なことなんて何一つないですよ」
役作りでバスケを猛特訓
主演映画「走れ!T校バスケット部」で演じるのは、バスケットボールの上手な高校生プレーヤー。撮影前の短期間でバスケの技術を磨くため、共演者や専門の指導者とともにバスケ漬けの日々を過ごした。「僕は、肩と足腰が強かったので、ロングパスや瞬発力を重点的に鍛え上げていきました」
練習中には、役作りを超えた運動部さながらの場面も。「コーチから『今日はボールを使わず体力づくり』と告げられて、まるで部活ですよね」
特訓の成果は、演技に表れた。「試合の撮影では、ディフェンス(守り)時の動きを重視しました。相手へのマーク、ポジション取り。ボールを持たない時もしっかり演技してこそ、説得力が生まれるんです」
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「走れ! T 校バスケット部」
- バスケットボールの強豪校で1年生ながら、エースとして活躍していた陽一(志尊淳)。だが、部内でいじめの標的にされ、自主退学に追い込まれてしまう。バスケは二度としないと誓った陽一だったが、編入先のT校バスケ部員たちの情熱を目の当たりにし、再びコートに立つことを決意する。配給:東映。全国東映系で公開中。
- ©2018「走れ!T校バスケット部」製作委員会
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