東京芸術大学は10月26日、2019年度の学部入学者から授業料を値上げする方針を発表した。現行の年額53万5800円から20%(10万7160円)引き上げ、年額64万2960円とする。東京工業大も来年度からの値上げを予定しており、国立大の授業料の「横並び」がくずれつつある。

大学院入学者の学費も2020年度から学部と同様に引き上げる。値上げによって得られた収入を「世界の一流芸術大学と伍して行くための教育研究の高度化や、トップアーティスト育成の中核をなす『実技指導』の重点強化等に充当し、学生たちに還元」すると説明している。経済的な理由で修学が困難な学生のための給付型奨学金を新設する方針も明らかにし、理解を求めている。

国立大の授業料は、国が「標準額」を決め、各大学は標準額の2割増しを上限に授業料を決められる。ただ、実際にはどの大学も標準額を学部の授業料としてきた。しかし、9月に東京工業大学が19年度から63万5400円に値上げすると発表。学部の授業料値上げを決めた国立大は、東京芸術大が2校目となる。