力強いメッセージを送る春名さんと村本さん

8月、いじめについて考えるトークイベントで、女優の春名風花さんとウーマンラッシュアワーの村本大輔さんが登壇した。このイベントは春名さんの絵本「いじめているきみへ」出版に伴い開催された。

「自分すごいって叫べ」

いじめられた人たちに伝えたいことについて、春名さんは「生きてほしい。(他者からの攻撃といった)外的要因で自己否定をして死んでほしくない。朝起きたら『自分すごいって叫べ』という言葉があって。あなたは世界でたった一つしかない存在で、あなたが死んだらその種は途絶える。ウナギよりすごい存在なんです」と熱弁した。

それに対して村本さんは「何がすごいの? 根拠は?」と質問。春名さんは「『存在しているだけですごい』という『根拠のない自信』が大切」と力強く語った。

人の痛みが分かった

一方、村本さんは「『中卒なのに、今から英語を学ぼうとしている自分はすごい』など『自分しかしないようなこと』が自信につながる」と発言。「子どものころにいじめられた経験によって、人の痛みが分かるようになり、良かった」と振り返り、「いじめられっ子は弱虫」という「間違った概念」に物申した。

最後に春名さんは「他人の物差しで自分を測るべきではない。自分が人を傷つけなくても気楽に生きることができる場所を見つけてほしい」、村本さんは「過去がダメダメな自分でも、今こうして生きている。人は何にでもなれる。恥ずかしいことなんてない」と、いじめている人、いじめられている人両方にエールを送った。 (菅野吏紗・3年)

 

絵本 いじめているきみへ

春名風花著、みきぐち絵(朝日新聞出版)

 

 春名さんが小学6年生の時に執筆し、朝日新聞に掲載したコラムを絵本化したもの。リアルで生々しい感情が美しく鮮やかに描写されている。