部活動や委員会、文化祭準備に体育祭。チームや組織をまとめる上での悩みについて、専門家の長尾彰さんにアドバイスを送ってもらった。(安永美穂)

 
長尾彰さん
ながお・あきら 組織開発ファシリテーターとして、企業、団体、教育、スポーツの現場などで、約20年にわたり3000回を超える「チームづくり」のサポートを行っている。
 

Q.チームの中で意見の対立が起きたとき、リーダーとしてどう対処すればよいのでしょうか?

A.対立は自然なことなので無理やりまとめない。まずは双方の意見を認めて。

立場が違えば、ものの見方が違ってきます。意見が対立するのは自然なことなので、「解決しなければ」と思い込まないことが大切です。どちらかが正しくて、どちらかが間違っているわけではないので、否定したり説得したりする必要はありません。

「AかBか」のどちらかを選ぶのではなく、「AもOK、BもOK」と、まずはそれぞれの意見を認めましょう。双方の意見に共通するところがあれば、「Aのこの部分とBのこの部分を生かして、新しいCという方法でやろうか」と、みんなが納得できる方法を提案することもできます。双方の意見がどうしても相いれない場合には、「この部分に関しては、2つのグループに分かれて、各自がやりたい方法で進めるようにしようか」と提案するのでもかまいません。

無理に一つの意見にまとめようとせず、「どうしてそう思うのか」を聞いてみると、いろいろな選択肢が見えてくるはずです。

 
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 宇宙兄弟 「完璧なリーダー」は、もういらない。
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 人気漫画「宇宙兄弟」を題材として、リーダーシップの在り方や、チームで成果を出すために大切なことを解説。