得点力と強いリーダーシップをけん引した津山尚大

 

バスケットボール男子決勝は8月7日、船橋市総合体育館(千葉)で行われ、福岡大大濠(福岡)が明成(宮城)を74-53で破り、28年ぶり3度目の優勝を果たした。(文・写真 青木美帆)

丸刈りで再スタート

昨年のインターハイはベスト4。全国高校選抜優勝大会(ウインターカップ)は準優勝。毎大会「優勝候補」と注目されたチームが、ようやく頂点に立った。
 「悪く言えば、われ関せず。自分以外のことにあまり興味がない選手たち」。福岡大大濠の片峯聡太コーチ(26)は、新チームが始動した当時の3年生をそう評した。バスケットボールがチームスポーツである以上、チームメートとの結束は必要不可欠。3月に行われた交歓試合で早速その弱点が露呈し、洛南(京都)に敗北すると、コーチと選手たちは頭を丸めて新たなスタートを切った。
 チームを引っ張ったのは、2人の3年生。普段は温和な鳥羽陽介主将(3年)=静岡・静岡大成中出身=は、私生活や練習での嫌われ役を進んで買い、司令塔の津山尚大(3年)=沖縄・北谷中出身=は仲間のプレーや性格の特徴を注意深く見るようになった。

優勝に歓喜する福岡大大濠のメンバー

3年生が躍動

学年別のミーティングで活発な意見交換を続けていく中で、3年生全員に「目指すのは日本一」という気持ちが浸透した。「まとまりがないと言われ続けてきたけど、全員が『自分たちがチームを引っ張るんだ』という意識を持つようになった」と、鳥羽は話す。
 体づくり、ゾーンディフェンスの攻め方、後半の集中力。さまざまな課題を克服して臨んだインターハイでは、3年生の踏ん張りが目立った。昨冬のウインターカップ決勝と同カードになった明成戦は、最後まで集中力を切らさずに戦い、リベンジを果たした。

チームデータ1951年創部。部員36人(3年生7人、2年生17人、1年生12人)。インターハイ出場45度、優勝は3度目。ウインターカップには34度出場し優勝2度、準優勝4度。