川上洋平さんは、人気ロックバンド[ALEXANDROS]でボーカルとギターを務める。高校3年の文化祭で披露したバンド演奏の成功体験が、ミュージシャンとして躍動する原点になったという。高校生記者が、夢をかなえるために必要なことなどを聞いた。 (聞き手・平川楓、構成・中田宗孝)
文化祭で「奇跡生まれた」
――人気漫画が原作の映画「BLEACH」の主題歌と挿入歌を手掛けましたね。
海外ファンも多い作品に携われてうれしいのですが、作品のことはいったん忘れて、自分たちのバンドの音にすることを強く意識しました。主題歌「Mosquito Bite」のイントロのギターは自分で弾いていても、めちゃ気持ちいい! 英語の歌詞には、逆境に立たされた少年を主人公に「そんな状況でも笑い飛ばしながら立ち向かおうぜ」という思いを込めました。
――高校時代の一番の思い出は。
バンドを組んで、ボーカルとしてライブをした文化祭の後夜祭です。体育館のステージに立った瞬間、「ロックミュージシャンになりたい!」って気持ちが湧いてきました。「ここが俺の輝ける場所なんだ」とも。その時、一緒に演奏したのが今のバンドのギター(白井眞輝)だし、あの瞬間、いろんな奇跡が生まれたと感じています。
――その時のライブの出来栄えは。
……それが良かったから「俺イケるじゃん!」なんて、有頂天になったんですよ。翌日からみんなに褒められたし、チヤホヤされたし(笑)。今思い出しても当時のライブは良かったと思う。またあの体育館で演奏したいな。
自分を疑わない
――夢をかなえるために、どんな心持ちが必要ですか。
夢に向かう自分を決して疑わないこと。「できるかな、なれるかな」と不安になる気持ちも分かるけど、不安より小さくても自分の中から湧き上がる自信があると思うんです。その自信を大事に育ててほしい。俺もロックミュージシャンを目指し、レコード会社にデモテープを100回以上送り続け、プロデビューするまで約10年かかっています。でも、自分を信じて夢に突き進んでいけたし、「(高校時代に得た)根拠のない自信」が一番の原動力でした。
【編集後記】 将来の夢に歩み寄れた
今回取材をしてみて、川上さんの体験に基づいた歌詞の力強さやそのメッセージがとても心に残りました。また、高校時代に関する質問の際には、初めて舞台に立った時のエピソードなど、高校生である私たちにとって等身大に感じるお話だったので、聞いていて共感する点が多々ありました。「高校生の時に夢を見つけた」と高校生活を語る川上さんはキラキラしていて、私も大人になった時にこんな風に高校時代の話ができたらいいなと思いました。
さらに、私の将来の夢についてアドバイスをもらった際には、すぐに「自分を疑わないことだね」とメッセージをくれました。この川上さんの言葉と自分を信じて「夢に向かっていこう」と強く感じました。
この取材を通して、私自身将来の夢に1歩でも歩み寄れた様に感じています。とてもいい経験になりました。これからも自分を疑わずに頑張っていきたいです。(高校生記者、平川楓・3年)
- 「BLEACH」
- 人間の魂を食べる悪霊・虚〈ホロウ〉と戦うために、高校生・黒崎一護(福士蒼汰)は朽木ルキア(杉咲花)から「死神」の力を与えられる。一護は「死神代行」として人間を脅かす悪霊退治を始める。配給:ワーナー・ブラザース映画。7月20日から全国公開。 ©久保帯人/集英社 ©2018 映画「BLEACH」製作委員会
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