2020年度(21年1月)からセンター試験に替わって導入される大学入学共通テスト(新テスト)の国語と数学では記述式問題が出題される。センター試験にない初めての出題で課題になることの一つが、句読点や改行など、受験生の解答の記入方法のばらつきだ。大学入試センターはこのほど国語の解答欄の記入方法の注意点を公表した。書き方をそろえる指導を高校でしてもらい、採点しやすくする狙いがある。
大学入試センターが昨年11月に実施した国語の試行調査(プレテスト)では、「記述式の解答は、一つのマス目に一文字ずつ楷書で記入しなさい」という指示があったが、高校生の記述式の解答のマス目の使い方にばらつきがあり、どこまで減点対象とするのか、採点の課題として浮上した。具体的には①書き出しで「一字下げ」をしている②改行している③行頭に読点「、」がくる場合に前の行の最後のマス目に文字と読点を一緒に書いている④文の最後の句点「。」を文字と一緒に書いている―といった答案があったという。どれも字数制限にかかわる部分であり、公平に採点するには何らかの基準が必要だ。
そのため、センターでは「社会における表記のきまりは多様であること」などを踏まえながらも、高校の国語の授業などで受験生にマス目の使い方や段落の扱いなどを伝えてもらい、解答方法のばらつきを減らしたい考え。このため、今年6月に公表した高校や大学向けの説明文書に、段落や句読点などの記述の使い方のルールなどの「留意点」を盛り込んだ。11月に実施する2回目の試行調査では、受験生に留意事項を事前に読んでもらう。本番の試験で「留意点」と違う表記をした場合に減点対象とするかなどは、試行調査の結果をふまえて判断する。
このほか受験生が消しゴムで消しきれなかった文字の扱いや、くせ字など採点者が読めない文字の扱いなどもセンターでは検討中という。「留意点」にも加筆訂正の方法などを盛り込んだ。