たかすぎ・まひろ  1996年7月4日生まれ。福岡県出身。2009年、俳優デビュー。主な出演作は、映画「逆光の頃」「散歩する侵略者」など。7月6日公開の映画「虹色デイズ」、声優初挑戦となる9月1日公開の劇場アニメ「君の膵臓をたべたい」への出演を控える。 ヘアメーク:堤紗也香 スタイリスト:石橋修一

主演作が増え、注目が高まる若手俳優の高杉真宙さん。学業と俳優業を両立した高校時代、緊張感を伴う仕事場を離れた学校生活では、友人と過ごす時間を何より大切にしてきたという。 (文・中田宗孝、撮影・玉井幹郎)

友達との時間が大切

高校入学前から芸能活動を始めていた高杉さんは、学業と仕事を両立して高校3年間を過ごした。当時は演技に対する悩みが尽きなかったが、学校に来るとリラックスできたという。

「たわいない友達との会話が自分の心の支えでした」と振り返る。学校帰りに友人たちと飲食店に集まっては話し込んだ。「だけど、その時何を話したのか全然覚えてなくて(苦笑)。男同士だからなのか、そこで誰かの悩み相談もまったくありませんでした。ただただ(友達と過ごす時間が)楽しかったし、仕事を忘れられる大切な時間だったんです」

高校時代の友達とは今も親密な交流を続けているという。現在、友達との関係に少し変化が生まれているとか。「悩みを軽くですが、僕に打ち明けてくれるようになったんです。やはり、あのころの何でもないひとときを一緒に過ごしたことがとても大きいんですよね」

制服デート「しないと後悔」

現役の高校生たちには「王道の青春を過ごして!」と強く語り掛ける。「ぱっと思いつくのは制服デート(笑)。大人になると『なぜ自分はやらなかったんだ』なんて、きっと後悔しますよ!」。そして「たくさんの人と出会い、その方々の話を聞いてください」とメッセージを送る。「自分だけの小さな世界が広がるきっかけになると思うんです。誰かの話を聞いて、その方の体験を共有する。すると自分自身の考えが深まるし、視野を広げることもできます」

消極的な写真部員演じる

100メートル以上の写真を撮影できるパノラマカメラを題材にした主演映画「世界でいちばん長い写真」では、写真部の消極的な高校生を演じる。「(役柄の)自信のなさを表現するために、せりふをたどたどしく発する工夫をしました。本番中、何度かせりふをかんでしまったのですが、監督が『役の性格に合っている』と、そのまま採用されたシーンが結構あるんです」

その日の撮影が終わってから、共演者と宿泊所でおのおのの演技について語り合ったのも思い出深いという。「みんなでトランプをして盛り上がった夜もありました(笑)。そんな撮影現場での出演者同士の仲の良さが映像を通しても伝わると思います」

「世界でいちばん長い写真」
高校の写真部に所属する宏伸(高杉真宙)は、撮りたい一枚が見つからず、部長の菜々恵(松本穂香)にあきれられていた。ある日、宏伸は長い写真を撮影できる360度回転パノラマカメラを手にする。珍しいカメラに夢中になった彼は、最高の構図を探し始める。配給:スターキャット、キャンター。6月23日からシネ・リーブル池袋・イオンシネマにて全国公開。©2018映画「世界でいちばん長い写真」製作委員会