SGH、SGHアソシエイト指定校が研究成果を披露するSGH甲子園(関西学院大学など主催)が3月24日、兵庫県の同大で開催された。英語プレゼンテーションでは、五ヶ瀬中等教育学校(宮崎)が最優秀賞に輝いた。
甲斐友梨香さんと永山葵さん(ともに5年)は「英語でのプレゼンは苦手」というが、猛練習した成果が実を結んだ。
高齢者に使いやすく
2人はボランティア活動で高齢者と接し、「地元の五ヶ瀬町では公共交通機関が整備されておらず外出が難しい」と知った。町内を移動する公共交通機関はコミュニティーバスなど3路線のみだ。バスは運行本数の少なさ、曜日によって異なる運行時刻、バス停までの距離などの不便さから敬遠されている。2人は高齢者を支援するための改善策を研究した。
実際にバスに乗って利便性を調べ、運転手や町役場、社会福祉協議会の職員らに聞き取り調査をした。「(交通の整備は)単なる移動手段の問題ではなく、高齢者の健康や生きがいに関わる問題だ」との意見が心に響いたという。
さらに、文献やネットで他の自治体での事例を調べた。過疎化、高齢化が進む北海道やフィンランドで導入され、利用者の要望に合わせて運行時刻や路線を変更する「デマンドバス」を参考に、病院の診療時間や活動時間を考慮したバスの運行時刻・コース設定、デマンドバスを併用した運用、収支改善のためにバスの運休日に近県の大学生を対象とした体験ツアー実施を役場に提案し、職員から高く評価された。(木和田志乃)=学年は開催時