幅広い世代から支持を受ける女優の井上真央さんに、最新出演作の映画「謝罪の王様」(9月28日公開)の見どころや、高校時代の思い出を語ってもらった。「高校生っていいですよね~」と、かつての自分を懐かしみ、今の高校生を少しうらやむように話す姿が印象的だった。 (文・中田宗孝、写真・幡原裕治)

 

 

「謝罪の王様」は、謝罪をテーマに描いたコメディー映画。井上さんは劇中で、素直に謝れない帰国子女を演じる。

「〝いい大人たち〟が大まじめに謝り倒す楽しい作品になっています。物語の中で私も謝罪しますが、謝ることでトラブルをより深刻にさせてしまうんです。日本の謝罪文化の奥深さや難しさも知ることができて面白いですよ」

出演シーンには笑いどころがたくさん詰まっている。

「私がレオタード姿で登場するところは面白いので見逃さないでください! この場面の撮影では、土下座している姿をあらゆる方向から撮影しました(苦笑)」受験で身に付けた自信 高校時代は「今振り返ってみると、一つ一つの出来事が青春だった」と話す。 「担任が国語の先生だったので、国語は特に頑張って取り組みました。古典が好きで、授業で習った『あり・おり・はべり・いまそかり』は今でも覚えてますよ(笑)」

大学進学への受験勉強も、学校生活の思い出に挙げる。

「3年生のころは学校と仕事の両立が大変で、時々は勉強に集中できなくなることもありました。それでも受験を乗り越えた経験が大きな自信になったことも確か。受験生の皆さんは、あとで悔やまないように、これだけやったんだという自信をもてるぐらい勉強と向き合ってください」

勉強に行き詰まった時は、どうしていたのだろうか。大学受験の先輩として、対処法を教えてくれた。

「勉強に集中するには、悩みをためこまないことも重要。私の場合、不安になったり自分の考えに迷いが生まれた時は、家族に全部聞いてもらって気持ちをスッキリさせていました」 最後に、現役高校生へのメッセージをもらった。

「学校生活を楽しむことを忘れないでほしい。10代の時にはできなかったことが、大人になるとできるようになったりもする。でも、高校生の今しかできないこともたくさんあると思う。自分のやりたいこと、興味があることを見つけたら、臆せずにチャレンジしてください」

 

いのうえ・まお 1987年1月9日、神奈川県生まれ。ドラマ「花より男子」シリーズで注目を集め、「ファーストキス」「おひさま」に主演。映画「八日目の蝉」で日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞。 公式サイト http://mao-inoue.jp/