象徴としてのお務めについてお言葉を述べる天皇陛下(2016年8月、宮内庁提供)

政府は天皇陛下の退位日を「2019年4月30日」と定める政令を公布した。退位翌日の5月1日に皇太子さまが新天皇、皇太子妃雅子さまが新皇后となり、改元となる。天皇退位は現憲法下では初めてで、1817年の光格天皇以来、約200年ぶり。「平成」は31年で幕を閉じることになる。

陛下は「上皇」に

Q 何が変わるの?

天皇陛下は退位後に「上皇(じょうこう」、皇后さまは「上皇后(じょうこうごう)」になる。新天皇家はご夫妻と長女愛子さまの3人で、皇居・御所を改修して東とう宮ぐう御所から転居する。新天皇が国内外に即位を宣言する「即位の礼」は19年秋になるとみられている。秋篠宮さまは皇位継承順1位を意味する「皇嗣(こうし)」に就き、長男悠仁(ひさひと)さまが2位となる。

退位は「12月」「3月」も一時検討

Q 新元号はどう決まる?

新元号は、政府が水面下で依頼した学者らによる候補から選定した平成改元と同様の手続きを踏むとみられ、複数の候補から有識者懇談会の意見を聴いた上で決定する。日本で初めての元号は7世紀半ばの「大化」で、平成は247番目に当たる。

Q 退位は、なぜこの時期に?

陛下は16年8月、退位の思いをにじませたビデオメッセージを公表、政府は一代限りの特例として退位を認め、年末年始の区切りである「18年12月退位、19年1月即位」、年度替わりの「19年3月退位、4月即位」を検討した。退位日を19年4月30日としたことについて、政府は陛下が19年1月に在位30年を迎えると説明。さらに「4月の統一地方選の時期を避ける必要があった」「4月前半は国民の異動時期と重なる」ことを挙げている。

 

10連休になるかも

Q 祝日は変わるの?

19年は新旧天皇の誕生日のはざまに代替わりがあるため、この年の「天皇誕生日」はなくなる。ただ、政府は皇太子さまが即位する19年5月1日を祝日または休日にするかを検討しており、祝日と定めた場合、祝日法の規定により4月27日から10連休となる。現在の天皇誕生日の12月23日を引き続き何らかの祝日とするかについても検討する。