紙の教会内部で学ぶ生徒たち(学校提供)

栃木・佐野高校のSGHクラブの1~3年生7人は7月、台湾で5日間のフィールドワークを行った。震災復興のヒントを得るためだ。

紙で教会 アイデア知る

台湾中部は1999年に起きた地震で壊滅的な被害を受けたが、その後、観光地として人気を集め、復興に成功したという。生徒は、市役所の職員や現地住民たちから聞き取り調査を実施。全壊した中学校を撤去せずにそのまま保存展示したり、紙産業を発展させ復興のシンボルとして紙で教会を作ったりするなど、さまざまなアイデアを取り入れていた。普通の小川(桃米巧渓)を1カ月間立ち入り禁止にして、その間に被災住民で徹底的に清掃するなど、あるものを磨き上げることで観光客をひきつける地域資源にできることを知った。

石川健吾君(2年)は「日本だと震災の爪痕が残る建物などは取り壊すこともあるが、台湾では保存し展示していた。国による違いに驚いた」という。今後は、台湾の高校と、震災復興について共同研究を行う予定だ。(野村麻里子)