考案したカリキュラムを説明する金沢泉丘高校の生徒たち(6月17日、上田高校主催の北陸新幹線サミット)

石川・金沢泉丘高校の西上日和子さん、竹久真由さん、前田珠里さん(ともに3年)は、小学生向けの平和学習のカリキュラムを考えた。(文・写真 野村麻里子)

自分から学べるよう工夫

「戦争経験者が減っている中で、戦争の悲惨さを伝える平和学習の需要が高まっている」と考えた3人は、まず石川県内の小学校で平和学習が実施されているかを調べた。回答があった7校全てで実施していたが、クラスメート38人に聞くと約2割が「(学んだか)覚えていない」と答えた。

記憶に残りにくいのは「平和集会やDVD鑑賞などが多く、受け身で学んでいるから」と考え、能動的に学べるカリキュラムを考案した。少人数での話し合いの時間を設けたり、県内でフィールドワークに行って戦争跡地を巡ったり、調査内容を下級生に発表したりするなど工夫。国語や総合の時間と融合することで、少ない授業数をカバーするプランだ。

世界の平和学習も調べた。ドイツは、ナチスを加害者と意識して学ぶなど、各国が歴史に応じて学習していた。

そこで3人は「世界共通で行える平和学習はないか」と考えた。国際連合などが「身の回りの平和とは?」と子どもたちに投げ掛け回答を募った上で、ほかの国・地域の子どもとSNSや手紙などを通して意見を交換し、交流するプロジェクトを提案。「多様性を受け入れ、身の回りの平和を自覚することができるのでは」と考えている。