全国高校総体(インターハイ)陸上の女子400メートルハードル決勝が7月31日に岡山市のシティライトスタジアムで行われ、関本萌香(秋田・大館鳳鳴)が59秒14で「2年生V」を果たした。(文・中尾義理、写真・幡原裕治)
リスク恐れず走った
6月の日本選手権で高校歴代4位の58秒03をマークした小山佳奈(神奈川・川崎橘3年)が優勝候補に挙げられた決勝。その小山の1つ内側のレーンから関本が積極的に飛ばした。
ハードル間を少ない歩数で行くとスピードに乗るが、タイミングが合わないと、ハードルに足を引っ掛けたり、ハードル前で失速したりするリスクも大きくなる。関本はそのリスクを恐れず、決勝では4台目までハードル間を15歩で刻んだ。
「前半はトップで行く」との思いが通じて、向かい風が吹くバックストレートで小山の前に出ると、追い風に変わった後半も粘りを発揮。前半に攻めて走ったリードがアドバンテージとなり、小山の追い上げを0秒04差で封じた。
「とにかく一つでも上の順位へ」
関本の自己記録を上回る3年生や2年生のライバルに囲まれ、「とにかく順位を一つでも上へ、という気持ちで走りました」と振り返った関本。「ゴールしたときは負けたかなと考えてしまいましたが、スタンドを見ると、先生や父が喜んでいたので、勝ったんだと。地元から頑張れというメッセージがたくさん届いて、それを力に変えられました」と笑顔を弾けさせた。
来年は秋田のお隣、山形でインターハイ陸上が行われる。特別な声援を受け、大会2連覇を目指すことになる。