関西大学高等部(大阪)の2年生約150人が9月10日、29班に分かれて大阪府内へフィールドワークに出た。生徒たちは1年時から社会、人間、自然、安全の4つのゼミに分かれて個人で研究を進めている。今回は似たテーマの生徒同士で班を作り、研究内容に沿った企業や団体、NPOなどを自ら探し、直接連絡を取って訪問した。
資料の活用方法も学ぶ
少子高齢化や女性の社会進出などを研究している「社会E」班の5人はまず、女性の社会的自立をサポートする大阪府立男女共同参画・青少年センターを訪れ、職員に研究内容に関する質問をし、統計資料や関連書籍から必要な情報を抽出・分析する方法などのアドバイスも受けた。
デンマークと日本の高齢者福祉の違いを研究している平山悠花さんは「両国を比較するためにたくさんの資料を読まなければならないが、センターで資料の探し方や情報の見つけ方を教わった。これからの研究に生かせる貴重な機会になった」と言う。
訪問先探しで苦労も
続いてNHK大阪放送局を訪問し、人事部の担当者にメディアの仕事内容や労働環境などについて聞いた。班長の片山舞美さんは「職員の人材育成の課題や雇用の難しさについて幅広く知ることができた。訪問先を探す時はいくつかの会社に断られて落ち込んだが、受け入れてくれるところがあってうれしかった」と話す。
ほかの班もそれぞれのテーマに基づき、JICA関西や美術館、大学、飲食店、牧場などを訪問した。フィールドワークの結果は後日、リポートで報告するほか、これまでの活動の集大成として2年生の最後に提出する卒業論文にまとめる予定だ。
(新海美保)
2014年にSGHに指定。「持続可能な地球環境の構築に対するイノベーターの育成」を目標に、社会、人間、自然、安全の4つのゼミに分かれて課題研究を進める。 |