試験勉強などで眠くなったとき、カフェインを多量に含む眠気防止薬や清涼飲料水を飲んだことはないだろうか? コンビニなどで手軽に買えるが、過剰に摂取すると中毒になり死亡する危険があることが分かり、専門家は誤用や乱用に注意を呼び掛けている。

5年で3人死亡、101人搬送

日本中毒学会が初めて実施した全国調査で、2011年度からの5年間に少なくとも101人が救急搬送され、7人が心停止になり、うち3人が死亡したことが明らかになった。患者は13年度から急増、97人は眠気防止薬を服用、コーヒーやエナジードリンクをあわせて飲んだ人もいた。エナジードリンクだけの中毒は4人だった。カフェインは一度に1グラム以上を摂取すると中毒症状が出るとされ、激しい吐き気やめまいが起き、心拍数が上がる。心停止に至った7人は、いずれも6グラム以上取っていた。

過剰摂取は控えて

日本食品標準成分表によると、コーヒーには100ミリリットル当たり0.06グラム、煎茶で同0.02グラム、市販の眠気防止薬には1錠0.1グラムほどが含まれており、かぜ薬やエナジードリンクにも含まれている。カフェインの摂取許容量は定められていないが、海外での目安は成人で1日当たり0.4グラム(マグカップのコーヒー3杯分程度)。エナジードリンクは数本をいっぺんに飲まない限り問題ないとされるが、20代男性が眠気防止薬とエナジードリンクを長期間飲み続けて死亡した例が報告されている。