丸田陽七太(大阪・関大北陽1年)=兵庫・緑台中出身=と岩井尚斗(同)=同・東谷中出身=は、4月に開かれた16歳以下のアジア王者を決めるASBCジュニアボクシング選手権(カザフスタン)で、ともに銅メダルを獲得した。2人が目指す場所は同じ。世界チャンピオンだ。( 文・写真 白井邦彦)

6歳から森岡ボクシングジムに通う丸田は、小・中学時代に全国制覇を果たしたエリートだ。一方、岩井は小学6年時に同ジムへ入門。毎日友達とけんかばかりしていたので、両親がボクシングを勧めた。

4月のASBCジュニアボクシング選手権。国際大会はもちろん、海外へ行くのも初めてだった岩井は「1回戦は緊張して足が動かなかった」と話す。フットワークが持ち味の岩井にとっては致命的だったが、それでも判定勝ちを収めた。続く準決勝では、惜しくも判定負けを喫したが、納得の銅メダルだった。

だが、最初からアジア王者を狙っていた丸田は違った。1、2回戦ともKO勝ちを収めたが、準決勝で判定負け。悔しさのあまり、銅メダルを首にかけるのを嫌がった。「WBAもWBCもWBOも、狙える世界タイトルは全て取りたい」(丸田)。幼いころから自宅練習を欠かさず、食事制限をしてきただけに、銅メダルが納得いかなかった。

今夏の全国高校総体(インターハイ)初出場を決めた丸田、惜しくも出場を逃した岩井。経緯も違えば、ボクシングに対する意識も違う対照的な2人だが、最終目標は同じく「世界チャンピオン」だ。

いわい・なおと
1997年5月22日、兵庫県生まれ。ライトフライ級(45 ~48㌔)。小学6年からボクシングを始め、中学3年で全国大会2位。ASBCジュニアボクシング選手権以前の成績は28戦18勝(3KO)10敗。
まるた・ひなた
1997年4月18日、兵庫県生まれ。ライトバンタム級(50~ 52㌔)。小学5年で全国制覇を果たし、中学時代は2つの全国タイトルを獲得。ASBCジュニアボクシング選手権以前の成績は42戦36勝(20KO)6敗。