仲田将斗さん

受賞理由 
 心身ともに健康で学業に精励し、第2学年から学業奨学生に選ばれ、他の見本となる生徒です。数学・物理学の分野では、高等学校学習指導要領の範囲を超えた知識や技術を身につけるために多くの本を読み、国際科学技術コンテストなどに積極的に参加しました。また、「地球上の飛行機の最短経路について」をテーマに研究し、各種発表会で発表しました。

校外でも学び深める

中学生のころから物理や数学が好きで、宇宙をテーマにした本を読んだのをきっかけに、「素粒子物理学」に興味を持った。読書を通じて、学問の世界と身の回りの物質やエネルギーとの深いつながりを感じ取った。そして、「もっと学びたい」と、スーパーサイエンスハイスクールの名城大学附属高校に進学した。

科学を学ぶクラスに所属し、2年次から「地球上の飛行機の最短経路」を方程式で表す研究を続けてきた。研究の内容を校内外で発表し、2014年夏には全国の高校生が集まる数学研究発表会に参加。「研究内容だけでなくプレゼンテーションに関する講評もいただき、説得力のある伝え方を学んだ」と振り返る。

「数学は哲学に通じるところがある。先人たちが積み重ねてきた理論を学ぶのは楽しい」と、高校の授業の枠を超え、大学で習う理論の解説書や英語の書籍も読みあさる。大学教授が教える勉強会や他校の高校生らと数学オリンピックの問題を解く集まりなど、校外の活動にも積極的で、国際科学技術コンテストにも挑戦した。

卒業後は大学に進学し、物理や数学の研究をさらに深める予定だ。将来は大学教授など研究職に関心があるが、数学の面白さをわかりやすく伝える仕事にも興味があり「多様な分野の人と出会い、広い価値観を持ちたい」と言う。

(新海美保)

 仲田さんへのQ&A 

Q.充実した高校生活を送るためには?

何事も「やらされている」感覚ではなく、楽しんでやることが重要です。「好き」を究め、日々の中で「これがあるから頑張れる」というものがあると強くなれる。夢中になって真剣に取り組んだ先に見えてくる世界があるはずです。

Q.勉強や学外の活動に対する意識を高く保つためには?

目標になる人との出会いが成長させてくれます。私の場合、さまざまな勉強会やコンテストをきっかけに会った人たちから刺激を受けました。名古屋大学の教授は、インドや古代ギリシャ、アメリカなど世界の影響を受ける日本の数学教育の背景などについて教えてくれ、「これからは日本で学ぶ君たちが世界をひっぱっていく番だ」と気持ちを奮い立たせてくれました。

 学校の特色 
 文科省スーパーサイエンスハイスクールとスーパーグローバルハイスクールに指定されており、将来、国際社会で活躍できる人を育てることに力を注いでいます。部活動も盛んで、全国大会や東海大会に多く出場し、入賞しています。