石川県で開かれたインターハイ・バスケットボール。洛南(京都)は8月4日の男子決勝で、73-78とわずかな差で延岡学園(宮崎)に敗れた。残念ながら22年ぶりの優勝はならなかったが、最後まで諦めない姿に観衆から称賛の拍手が湧き起こった。 (文・写真 白井邦彦)

頂上決戦は、第1Qで13-24と洛南には苦しいスタートとなった。第2Qは持ち直したものの、続く第3Qで一気に20点差をつけられる苦しい展開に。だが、この日チーム最多の20得点を挙げた河合祥樹(3年)=静岡・安倍川中出身=は「まだ10分ある。絶対に逆転のチャンスはある」とチームを鼓舞し続けた。

今年の洛南はレギュラーを固定せずに、その時々でコンディションのいい選手を起用して選手層を厚くしてきた。今大会の4回戦では優勝候補の福岡一(福岡)に競り勝つなど、大会を通して成長を続けた自信もあって、けがから戻った伊藤達哉(3年)=東京・京北中出身=は「まだ行ける」と強い気持ちで最終Qを迎えていた。そして一気に畳み掛けた洛南は、残り44秒で4点差まで詰め寄る。結果的に敗れたが、洛南の選手たちは「諦めない」という大切なものをコートに刻んでくれた。

【TEAM DATA】
インターハイに42年連続42回出場の名門。日本代表の竹内公輔(トヨタ自動車アルバルク)・譲次(日立サンロッカーズ)兄弟をはじめ、永山誠(パナソニックトライアンズ)、小川伸也(滋賀レイクスターズ)、村上直(京都ハンナリーズ)ら多くの名選手を輩出している。