文化や習慣が異なる生徒との議論を通じて異文化への理解を深めた(学校提供)

葺合(ふきあい)高校(兵庫)は7月14、15日の両日、「KOBE四大陸高校生サミット」を開催した。同校の3年生約80人と、アメリカ、イギリス、オーストラリア、台湾、フィリピンの高校生2人ずつ計10人が参加し、世界の共生を目指して各国・地域の課題について議論し、高校生にできることを探った。

日本の廃棄食品の多さ実感

サミットでは「食糧と水」「家族」「健康と衛生」「メディアとインターネット」「基礎教育」の5分野を設けた。国・地域を超えて8チームをつくり、各国の調査結果を持ち寄って英語で話し合い、改善策をまとめた。

食糧問題について発表したグループは、日本の食品廃棄物の多さと開発途上国の食糧不足を表す数字を示し「たくさんの食料を輸入している先進国で食べ物を無駄にしないで」と呼び掛けた。葺合高校の生徒はフィリピンを訪れた経験をもとに、食糧問題などの途上国の課題解決に向けて、相手国にとって一番良い方法を考える視点の重要性を提示した。

「新しい視点、生まれた」

飯田彩恵子さんは、オーストラリアの高校生らと水不足の問題の解決策を探った。自主的な課外活動の経験が豊富な外国の高校生から「課題を広く知らせるため、校外でチャリティーイベントを実施して寄付を集めよう」と提案され、刺激を受けたという。

自然災害が多いフィリピンの高校生は、災害時に地域の人々が助け合う習慣が根付いていると紹介した。司会を務めた飯田さんは「外国の生徒と一緒に議論することで新しい視点が生まれた」と話していた。

(新海美保)

2014年度SGH指定。「人権」「環境」「経済」の3つの視点から課題研究。1、2年次に海外フィールドワークや海外の姉妹校とのディスカッション、3年次にサミットを実施。