石井秀昌さん

 受賞理由 
 SSH指定校としての取り組みであるIntelligent Cafeの運営スタッフ代表として、学校における自由な知的空間の創造に大いに貢献した。また、探究活動が認められて学校代表としてオランダの研究施設での研修にも参加し、知見を深めた。日々の学業や学校行事においても秀逸な成果をおさめており、将来の活躍が大いに期待される。

独自企画にこだわる

丸テーブルとカラフルないすが並び、ポスターが壁を彩る。「IntelligentCafe」は、カフェのようなスペースだ。生徒たちは昼休みや放課後に、先生や専門家と科学や音楽、国際問題などについて話したり自分の考えを発表したりしている。石井君は、中学3年次の学校説明会でIntelligent Cafeに興味を持ち、入学直後に運営委員になった。

「先生の提案に頼らず、自分で企画をしたかった」。約10人の委員の仲間と校内の特別講演の事前学習会などを企画した。

独自の企画にこだわった。会議の進行などを支援する方法を学ぶ「ファシリテーション講座」では、生徒のことを思い浮かべながら講師と内容を入念に打ち合わせた。参加者からは「文化祭や部活などの話し合いで役立つ」と好評を博した。

探究学習にも力を注ぎ、LEDの光の波長が植物の生育に与える影響を研究した。2年の夏には、学校代表としてオランダを訪問し、農業用の照明を開発する研究施設や農業博物館などを見学した。「LEDの農業施設のための区画が整備されていたりして、国が農業に力を入れていると感じた」

工学に関心がある。「Intelligent Cafeの活動を通じて人を巻き込む方法に興味がわいたので、人が参加したくなる空間デザインなども勉強してみたい」と目を輝かせる。

(堤紘子)

 石井さんへのQ&A 

Q.時間を上手に使うための工夫は?

その日の朝に1日をシミュレーションして、予定をしっかり組むことを心がけていました。

Q.高校生活でやるべきことは?

大学に進学したらやらないと思うことに取り組むことです。僕は理系なので、大学に行ったら法律のことを学ぶ機会はあまりないだろうと考え、模擬裁判選手権に参加したりしました。視野を広げておけば、やりたいことを見つけたときにできることも多くなると思います。

Q.高校生活を充実させるためには?

迷ったらやってみることです。その分辛いことも増えますが(笑)、後悔がないくらいにやり切るといいと思います。僕は「今しかできないことに手を抜かない」ことを心がけていました。

 学校の特色 
 3つの附属中学、一般中学、海外在学経験者、タイ王国からの受け入れ、と多様な生徒からなり、「清純な気品の高い人間」「大樹のように大きく伸びる自主的な人間」「世界性の豊かな人間」を育成することを目指す。