八田さん(左)と山田さん(3月、関東近県SSH合同発表会で 野村麻里子撮影)

時間ごとにビタミン量を計測

家庭科の授業でビタミンCが水や熱によって失われやすいと知り、2年次の課題研究の授業で、ジャガイモに含まれるビタミンC量がゆで時間によってどう変化するかを調査した。

まず、ジャガイモを10分から5分刻みで35分まで、時間を変えてゆで、それぞれのゆで汁に含まれるビタミンC量を測定。得られたデータを計算すると、20分ゆでた時がビタミンCの溶出量が最も多く、溶出率は約30パーセントだった。

加熱でビタミン量が減る

20分を過ぎると溶出量は減っていくが、これは加熱時間が長いとゆで汁中のビタミンC自体が壊れるためではないかと考察した。

次に、ジャガイモをゆでずに水につけたままにして、同様の実験を行った。だが、つけた水を調べると、ビタミンCはあまり溶け出していなかった。このことから、水につけて加熱することがジャガイモのビタミンC溶出の原因だと分かった。

「予想通りの結果が得られてうれしかった」と山田さん。八田さんは「ゆで時間が長くなるにつれ、ジャガイモに含まれるビタミンCの溶出量も多くなる。ビタミンCを無駄なく摂取するには、ゆで汁も一緒に食べられるカレーのような調理法がお勧めです」と話した。
(平野さゆみ)