講演後に生徒有志と懇談する二木さん

順天高校(東京)で7月14日、外務省の二木(ふたぎ)孝さんが講演した。SGH対象クラスの1・2年生80人が、外交官に必要な資質や海外赴任中のエピソードなどに聴き入った。

理系の知識も大切

二木さんは、フランス、セネガルなどの在外公館に勤めた。講演では、外務省職員の多くが読むという「外交」(H.ニコルソン著)を引きながら、外交官の資質について①誠実②正確・精密③平静・平常心④よい機嫌⑤忍耐力・粘り強さ⑥謙虚さ⑦忠誠心―を挙げた。昔に比べ、テロ、人権、核、環境といったグローバルなテーマが増えているといい、「理系の知識が重要になっている。異質な存在、多様性への理解も必要」とも話した。

 10代から読書家だった二木さんは、講演でも「巌窟王」「夜と霧」「赤と黒」「星の王子さま」など名著の一節を紹介。「幅広い教養と専門を持ってほしい」とアドバイスした。

 柴田真歩さん(2年)は「視野がとても広がり、イメージでしか知らなかった外交官の仕事が分かりました」と話していた。

 外務省は、高校生の国際理解や進路選択の参考になるよう、今年度は119校で講演を実施予定。

(西健太郎)

 1964年から生徒の海外派遣を開始。2014年にSGHに指定。「グローバル社会で主体的に活躍する人材育成」を目標に、生徒がフィリピンでの支援活動を目指した課題研究などに取り組む。